レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年05月17日
- 登録日時
- 2013/11/19 10:45
- 更新日時
- 2014/02/03 14:42
- 管理番号
- 埼熊-2013-059
- 質問
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解決
「四国遍路救いと癒しの旅」(真鍋俊照著 NHK出版 2012)p173にある「蓮華萎んで合蓮と成り、仏光かくれて闇夜に迷う。今、遍礼の功徳に依て合蓮開けて仏光現じ再び八葉の花台に坐し…」という文章中の「合蓮」の読み方が知りたい。
- 回答
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「合蓮」という語句では見つからなかったが、「合蓮華」という言葉があり、読み方は「ゴウレンゲ」と判明した。
- 回答プロセス
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出典資料にあった絵図を探す
『日本古地図大成』(海野一隆ほか編 講談社 1978)
p264-265「四国偏礼絵図」、p93に同図の解説があるが〈合蓮〉の読みなし。
四国遍路関係資料を調べる
『四国遍路の研究』(白木利幸、頼富本宏著 国際日本文化研究センター 2001)
p154に、質問と同様の文章があるが、読みはなし。出典は「四國[ヘン]禮之序」。四国遍路に関する史料であることや序文中の「夫レ四國[ヘン]禮ノ密意ヲ云ハゝ」という文言等から、密教関係史料とわかる。「ヘン」の文字は行人偏に「扁」
密教関係の辞典を調べる
『密教大辞典 2』(法蔵館 1979)
p557〈ゴウレンゲ 合蓮華〉の項あり。
「未だ開敷せざる莟のまゝの蓮華を指す、密教にはこれを以て凡夫の肉團心に譬ふ。」とあり。
『密教辞典』(佐和隆研編 法蔵館 1981)
p200〈ごうれんげ 合蓮華〉の項あり。
「蓮華の蕾のことで、その形から心臓〈肉団心〉に喩える。仏の心を満月に喩えるに対し凡夫の心を指す。開花したのを開敷華(カイフケ)、少し開いたのを未開敷・未敷ともいう。」とあり。
空海関係の資料を調べる
『空海要語辞典 2』(福田亮成編 山喜房仏書林 2003)
p182〈合蓮華 ごうれんげ〉の項あり。
「凡人の心は合蓮華の如く、仏心は満月の如し 『菩提心論』からの引用。凡夫の心は、「合蓮華」、つぼみの蓮華のごときであり、仏心は満月のごときものであるという。」とある。
真言宗関係の資料を調べる
『続真言宗全書 11 菩提心論部』(続真言宗全書刊行会 1986)
p154-156「菩提心論愚草 第四」中に、〈合蓮花〉の語句は多出するが、読み仮名なし。(漢文)
- 事前調査事項
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『広説佛教語大辞典 上・中・下』(中村元著 東京書籍 2001)
『岩波仏教辞典』(中村元〔ほか〕編 岩波書店 2002)
『仏教用語事典』(須藤隆仙著 新人物往来社 1993)
「総合佛教大辞典」(法蔵館 2005)
『仏教大事典』(日本アート・センター編集 小学館 1988)
『逆引仏教語辞典』(柏書房 1995)
『大辞泉 上・下』(小学館 2012)
『日本国語大辞典』(小学館 2000-2002)
『広辞苑』『逆引き広辞苑』(共に岩波書店)
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 『密教大辞典 2』(法蔵館 1979)
- 『密教辞典』(佐和隆研編 法蔵館 1981)
- 『空海要語辞典 2』(福田亮成編 山喜房仏書林 2003) , ISBN 4-7963-0895-4
- キーワード
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- 合蓮
- 合蓮華
- 密教
- 巡礼 (仏教)-四国地方
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000140711