レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年8月27日
- 登録日時
- 2017/08/27 16:43
- 更新日時
- 2018/01/18 10:13
- 管理番号
- 名古屋市東-2017-003
- 質問
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解決
名鉄前後駅がある場所、「前後」の地名のいわれが知りたい。
- 回答
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「前後」は、豊明市の町名です。『角川日本地名大辞典 23 愛知県』p.747には、古くは「ぜんごう」とも呼ばれ、「地名の由来は、桶狭間の戦のときに兵の首が前後いたるところにころがっていたためとといわれるが、間米村の前の郷にあたることからと思われる」とあります。
また、『豊明市史 総集編』p.121-122によると、1680年以前に間米村の枝郷として五軒屋・八ツ屋・三ツ屋の3か所ができ、本郷である間米村の南に八ツ屋、さらに南に五軒屋があったため、寛文年中以後、この五軒屋のことを「前郷」と呼ぶようになったとあります。後に「ゼンゴウムラ」と呼ばれ、表記は「前後村」になり、更に「善江村」となりました。明治期以後には「ゼンゴ」と発音されることが多くなったそうです。
間米村の南にあることが、なぜ「前」なのかという考察が『名古屋「駅名」の謎』p.69-73にあります。間米村の南に東海道が通っており、五軒屋は東海道に面していたので、「東海道方面に向かって前にある郷」という意味だとしています。
『愛知「地理・地名・地図」の謎』p.67-68にも同様の説のほか、桶狭間の戦いで亡くなった兵士の首を首実検のため前後に並べたという伝承や桶狭間から続く谷間の狭いところをさす「セコ」が「ゼンゴ」に転訛したという説が紹介されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 23 (愛知県). 角川書店, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001965951-00 , ISBN 4040012305 -
豊明市史編集委員会 編 , 豊明市. 豊明市史 総集編. 豊明市, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008533557-00 -
谷川彰英 著 , 谷川, 彰英, 1945-. 名古屋「駅名」の謎 : 「中部」から日本史が見えてくる. 祥伝社, 2012. (祥伝社黄金文庫 ; Gた16-5)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023884212-00 , ISBN 9784396315870 -
大塚英二 監修 , 大塚, 英二, 1956-. 愛知「地理・地名・地図」の謎 : 意外と知らない愛知県の歴史を読み解く!. 実業之日本社, 2014. (じっぴコンパクト新書 ; 193)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025529899-00 , ISBN 9784408455082
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 23 (愛知県). 角川書店, 1989.
- キーワード
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- 前後
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000221120