レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年12月01日
- 登録日時
- 2011/01/28 11:09
- 更新日時
- 2011/03/25 16:10
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2010-047
- 質問
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解決
「禅門修証」の本文が読みたい(できれば口語訳で)。
- 回答
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「禅門修証」(略称は他に「次第禅門」・「禅波羅蜜法門」・「漸次止観」・「禅門」・「修証」・「坐禅」など)の正式名は「釈禅波羅蜜次第法門」で『大正新脩大蔵経 第46巻』にあります。口語訳のものとしては、「『次第禅門』の研究」として「書き下し文」・「注」・「現代語訳」が試みられていますが、現在のところ巻第一之上の部分までのようです。なお、『天台小止観の研究』によると「天台小止観」は「釈禅波羅蜜次第法門」の要略で、こちらであれば『現代語訳天台小止観』・『天台小止観 坐禅の作法』があります。
- 回答プロセス
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(1)質問者によると中国の唐の時代の仏典とのことでしたので、まず仏教関係の参考図書で「禅門修証」を調べてみましたが見つけることができませんでした。そこでインターネットで「禅門修証」を検索したところ、“禅門修証(釈禅波羅蜜次第法門)”という記述がありました。
(2)改めて「釈禅波羅蜜次第法門」で参考図書を調べてみると、『大蔵経全解説大事典』に「釈禅波羅蜜次第法門」は天台宗の高僧である天台大師・智顗(ちぎ)が“禅観の実践法を体系的に述べた”ものとあり、「次第禅門」・「漸次止観」・「禅波羅密法門」などの略称があることがわかりました。また、『日本仏教全集叢書資料総覧』により『大正新脩大蔵経 第46巻』にあることがわかりましたが、口語訳のものについてはわかりませんでした。
(3)Ciniiで「釈禅波羅蜜次第法門」やその略称で検索したところ、大野栄人らの「『次第禅門』の研究」があり、“『次第禅門』十巻の原典解明を目的として”「書き下し文」・「注」・「現代語訳」が試みられていることがわかりましたが、現在のところ巻第一之上の部分までのようです。
(4)さらに当館OPACで「智顗」に関する資料を調べてみると、『天台小止観の研究』に“天台小止観は、(中略)明らかに次第禅門十巻の要略であると考えられる”とありました。そこで、「天台小止観」について調べてみると、『現代語訳天台小止観』・『天台小止観 坐禅の作法』がありました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 経典 (183 9版)
- 参考資料
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- 『大正新脩大蔵経 第46巻』 大正新脩大藏經刊行會 1962年 p.475-548
- 『大蔵経全解説大事典』 鎌田茂雄/[ほか]編 雄山閣出版 1998年 p.560
- 『日本仏教全集叢書資料総覧 総索引篇』 小山田和夫/[ほか]編 本の友社 1986年 p.561
- 「『次第禅門』の研究(8)」 大野栄人 『禅研究所紀要 第38号』 愛知学院大学禅研究所 2009年
- 『天台小止観の研究 第7版』 関口真大/著 山喜房仏書林 1974年 p.序言5
- 『現代語訳天台小止観 新装版』 [智顗/撰述] 関口真大/訳 大東出版社 1998年
- 『天台小止観 坐禅の作法』 関口真大/訳註 岩波書店 1974年
- キーワード
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- 釈禅波羅蜜次第法門
- 天台小止観
- 大蔵経
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000077286