レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年9月11日
- 登録日時
- 2017/02/09 13:00
- 更新日時
- 2017/03/10 12:36
- 管理番号
- 千葉市中央092
- 質問
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解決
100年に1度開花する植物が存在すると聞くがどのような花か見たい。できればアフリカのものがいい。
- 回答
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アフリカのものではないが、100年に1度咲くと言われる植物がみつかった。代表的な花として「プヤ・ライモンディ」がある。
・「花はふしぎ」
開花に最も長い時間がかかる植物として「プヤ・ライモンディ(80~150年)」があげられている。またその他に、リュウゼツラン科の植物(原産地で10~20年、日本では30~50年)やタケ・ササ類(40~120年)の開花周期が長いと言われている。「アオノリュウゼツラン」は英語では「センチュリープランツ(1世紀の植物)」と呼ばれている。
・「地球温暖化と植物の不思議」
第4章「開花&受粉の不思議」の「開花するまでに最も時間のかかる花は?」で、開花に最も時間がかかる花として「プヤ・ライモンディ」が紹介されている。開花するまでに最短で80年、最長で150年の時間がかかると書かれている。また、開花に100年以上かかることから「アオノリュウゼツラン(リュウゼツラン科)」は「センチュリープランツ(1世紀の植物)」と呼ばれている。さらに、タケ類の花も開花に時間がかかると紹介されている。
<プヤ・ライモンディ>
・「花はなぜ咲くの」
プヤ・ライモンディはパイナップル科の草本で、南米アンデス山中、標高4000~5000メートルの限られた高地のみに生息する。開花時期はアンデス初夏11月頃。開花期間は1か月半。白黒だが開花株の写真が載っている。また、プヤ・ライモンディは「100年間生き続け100年目に1回だけ花を咲かせ死ぬ」と言われ、1世紀を意味するセンチュリーを冠し「センチュリープラント」とも言われている。
・「朝日百科 植物の世界1」
プヤ・ライモンディは「開花までに150年もかかったとされ、最も遅い開花の記録を保持している」とある。また、10巻ではパイナップル科の項目でプヤ・ライモンディが解説されている
・「たくさんのふしぎ 2005年8月号 プーヤ・ライモンディ」
1本のプーヤに花が5,000~10,000個咲くと言われている。正式名称の「プーヤ・ライモンディ」の「ライモンディ」はイタリア人植物学者の名である。根もとのトゲの部分ができるまでに60年、塔のような幹が伸びるのにさらに39年ほどかかる。カラーで全体と花の写真が見られる(学名では「プヤ」と表記。この本では現地の発音に近い「プーヤ」を採用)
<竹・ササ>
・「育てて楽しむタケ・ササ手入れのコツ」
「タケやササは長期1回開花型の植物として知られ、その周期もまちまちで規則性が全くありません(中略)花が咲いていたり地上部が茶褐色に変色したりして初めて気づくことになります」とある。また、「日本国内では、多くのタケの種類は春から初夏にかけて開花するようで、その結実は秋頃ですが、例外も中にはあります」とある。
・「竹 ものと人間の文化史10」
竹の花は3~4月に全面開花が始まり、3か月から半年かけて立ち枯れていく。また、マダケ、ハチクの花には果実がほとんどならないと書かれている。中国では、吉兆を知らせる伝説の生き物・鳳凰が竹の実を常食していたことなどから、竹の花の開花は目出度いときにおこることとされていた。反対に、日本では「飢饉の年は、弘法大師さんのお恵みによって笹の実がなる(新潟)」という伝説があり、凶作の兆とされていた。
・「日本俗信辞典 動・植物編」
「竹」の項目に、「タケに花の咲く(実がなる)年は旱魃で不作(和歌山・広島)」や「雨の多い証拠で不作(福島)」などと言われている。さらに、「実がなるのは戦争の兆(千葉・宮崎)」「花が咲くと世の中が悪い(青森)」などとも言われている。また、「タケに花が咲けばその家に大凶がある(秋田・山形)」「その家から必ず死人が出るか、または衰退のしるし(沖縄)」と、いずれもゆゆしきものとしている。
<アオノリュウゼツラン・リュウゼツラン科>
・「世界の多肉植物」
アガベ科アガベ属に「青の龍舌」などが紹介されている。解説によると「アガベ属は北米南部から南米北部まで広く分布している。ほとんどの種は8~30年で開花して、一生を終えるライフスタイルをとる」と書かれている。
・「図説世界史を変えた50の植物」
リュウゼツランは9000年以上前から人類に利用されてきた。生物学的に分類・命名されたのは1753年のことでカルロス・リンナエウスが「高貴な」を意味するギリシア語を借用し「Agave americana(アオノリュウゼツラン)」と記載した。アオノリュウゼツランは花をつけるのに100年もかかると考えられていることから「百年植物」とも言われている。実際には100年の間に3回くらいは開花する。リュウゼツランの仲間は136種前後。リュウゼツランは船舶の係留用ロープからテキーラまであらゆるものの原材料となってきた。
- 回答プロセス
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開花周期などの特徴から調べられる事典がみつからなかったため、検索エンジンで「開花・100年」と入力し検索を行った。その結果「プヤ・ライモンディ」と「アガベ サルミアナvar.フェロックス」、「センチュリープランツ」という名が出てきた。その後は、上記のものを中心に事典などを当たった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 植物学 (47 9版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 参考資料
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西村尚子 著 , 西村, 尚子, 1967- , 日本植物生理学会. 花はなぜ咲くの?. 化学同人, 2008. (植物まるかじり叢書 ; 3)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009491554-00 , ISBN 9784759811834 -
岩科司 著 , 岩科, 司. 花はふしぎ : なぜ自然界に青いバラは存在しないのか?. 講談社, 2008. (ブルーバックス ; B-1607)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009424535-00 , ISBN 9784062576079 -
野村 哲也/文・写真 , 野村‖哲也. プーヤ・ライモンディ : 100年にいちど咲く花. 福音館書店, 2005. (月刊たくさんのふしぎ ; 第245号)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004737949-00 -
朝日百科植物の世界 10. 朝日新聞社, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000292859-00 -
朝日百科植物の世界 1. 朝日新聞社, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000292850-00 -
日本雑学研究会 著 , 日本雑学研究会. 地球温暖化と植物の不思議. 明治書院, 2010. (学びやぶっく ; 39. りか)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010927198-00 , ISBN 9784625684494 -
室井 綽/著 , 室井‖綽. 竹. 法政大学出版局, 1979. (ものと人間の文化史 ; 10)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000050103-00 , ISBN 4588201018 -
鈴木棠三 著 , 鈴木, 棠三, 1911-1992. 日本俗信辞典 動・植物編. 角川書店, 1982.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001593579-00 -
内村悦三 著 , 内村, 悦三, 1932-. 育てて楽しむタケ・ササ手入れのコツ. 創森社, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009493807-00 , ISBN 9784883402168 -
ビル・ローズ 著 , 柴田譲治 訳 , Laws, Bill , 柴田, 譲治, 1957-. 図説世界史を変えた50の植物. 原書房, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023921132-00 , ISBN 9784562047994
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西村尚子 著 , 西村, 尚子, 1967- , 日本植物生理学会. 花はなぜ咲くの?. 化学同人, 2008. (植物まるかじり叢書 ; 3)
- キーワード
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- 開花
- 花
- 俗信
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000209525