レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年11月16日
- 登録日時
- 2017/02/02 12:35
- 更新日時
- 2018/08/02 10:39
- 管理番号
- 2016-092
- 質問
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解決
山本覚馬と西周との交流について書かれた資料を探している。
(西周の著書『百一新論』が山本覚馬によって出版されたらしい。)
- 回答
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山本覚馬、西周の伝記を調べてみたところ、両者の交流について書かれている資料が見つかりました。
詳細につきましては回答プロセスをご参照ください。
- 回答プロセス
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1.『百一新論』について調査
(1)本学OPACで『百一新論』の所蔵を検索したところ、以下の資料が出てきた。解説に山本覚馬と西周の交流について書かれていないかどうか確認。
・西周著『百一新論』(山本覚馬、1874年3月)
山本覚馬によって出版された和装本。山本覚馬の序文、奥付に「明治六年八月官許、同七年三月彫成、山本覺馬蔵版」とあり。
・植手通有責任編集『西周・加藤弘之』(日本の名著34、中央公論社、1972年1月)
解説には『百一新論』の成立事情、山本覚馬と西周の交流については触れられておらず。
・『百学連環・百一新論・生性発薀』(近代日本社会学史叢書 第1期 草創期・生成期(明治初年〜30年代) 第1巻、龍溪書舎、2007年1月)
・松本健一著『山本覚馬 : 付・西周『百一新論』』(中公文庫ま-44-2、中央公論新社、2013年7月)
・大久保利謙編『西周全集』第1巻(宗高書房、1960年3月)
その解題によると、「この書は山本覺馬の出版にかかる。(中略)この書の出版された明治六年頃に、京都から山本覺馬が上京してきてたびたび西を訪問したという。」とあり。
(2)CiNii Articesで論文検索 キーワード:「百一新論」
→検索結果から、蓮沼啓介「百一新論の成立事情」(『神戸法學雜誌』31(1)、1981年6月)を確認。
刊行が「友人の山本覚馬の出版にかかり同人の蔵版となっている」こと、巻頭には山本覚馬の序が付いていることが紹介されている。
2.山本覚馬と西周との交流について
(1)山本覚馬・西周の伝記を調査。以下の資料に両者の交流について記されている箇所あり。
・青山霞村著『改訂増補 山本覺馬傳』(京都ライトハウス、1976年9月)
「山本覺馬先生との逸事」p.183に「先生の友だちの中で最も親しかったのは西周で、西は論説を翻訳起稿の度ごとに、それを原稿のまま先生の許に送って先生の参考に提供し、意見を求めた。」とあり。
また、「捕遺篇一.幕末動乱期にさいして―西周とその『百一新論』のこと―」(杉井六郎氏執筆、p.241~252)でも、山本覚馬と西周との交流、山本覚馬が『百一新論』の出版に関わったことについて論じられている。
・松本健一著『山本覚馬 : 付・西周『百一新論』』(中公文庫ま-44-2、中央公論新社、2013年7月)
「西周『百一新論』の出版」(p.48~59)に山本覚馬と西周の交流、山本覚馬が『百一新論』の出版に関わったことが論じられている。
・清水多吉著『西周 : 兵馬の権はいずこにありや』(ミネルヴァ日本評伝選、ミネルヴァ書房、2010年5月)
「洋学塾開講」(p.22)で、「西周助のここでの授業内容の一つが『百一新論』であった。(中略)この時の受講生の中にかなり目の不自由な山本覚馬と山本よりやや年長の南摩羽峰という人物がいた。彼らは、明治六年になって東京の西宅を訪ね、自分たちの速記録を西に提示し、手を入れてもらい、山本の場合はみずから序文を書いて出版した。これが現存する『百一新論』である。」とあり。
「山本覚馬の登場」(p.50~52)にも「彼は、西周助の更雀寺での連続講義に熱心に列席し、そのノートを京師のさる場所に保管しておいた男でもある。」とあり。
「『百一新論』と『百学連環』」(p.85~87)にも『百一新論』の出版事情について、「元講義録が失われてしまったにもかかわらず、山本覚馬、南摩羽峰という良き受講者に恵まれ、・・・(後略)。」とあり。
※『同志社山脈』(晃洋書房、2002年11月)山本覚馬の項(p.4~5)には西周との交流については書かれておらず。
(2)Web検索 キーワード:「山本覚馬 西周 交流」
→検索結果から以下のページを参照
・「山本覚馬の『百一新論』出版の不思議」(同志社女子大学HP>新島八重×同志社女子大学>コラム)
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/yae/column/140520.html [参照 2016-11-16]
山本覚馬と西周との交流について書かれている。
- 事前調査事項
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・西周の著書『百一新論』が山本覚馬によって出版されたらしい。
松島弘著『近代日本哲学の祖・西周 : 生涯と思想』(文藝春秋、2014年11月)の、「(エ)『百一新論』の発刊―哲学は百学を統一する学問―」(p.205~213)の最初に、「明治七年、(中略)代表作『百一新論』が、親友山本覚馬によって出版された。」と書かれていた。
- NDC
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- 日本 (281)
- 日本思想 (121)
- 参考資料
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松島弘 著 , 松島, 弘, 1936-. 近代日本哲学の祖・西周 : 生涯と思想. 文藝春秋企画出版部, 2014.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025921235-00 , ISBN 9784160088177 (NCID:BB17566313) -
西周 著 , 西, 周, 1829-1897. 百一新論. 山本覚馬, 1874.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000418333-00 (NCID:BA4813141X) -
日本の名著 34. 中央公論社, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001235675-00 (NCID:BN00399335) -
近代日本社会学史叢書編集委員会 編. 近代日本社会学史叢書 第1期第1巻. 龍溪書舎, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009102613-00 (NCID:BA83472372) -
松本健一 著 , 松本, 健一, 1946-2014. 山本覚馬. 中央公論新社, 2013. (中公文庫 ; ま44-2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024658407-00 , ISBN 9784122058132 (NCID:BB1322212X) -
大久保利謙 編 , 西, 周, 1829-1897 , 大久保, 利謙, 1900-1995. 西周全集 第1巻 (哲学篇). 宗高書房, 1960.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000876443-00 (NCID:BN02361093) -
蓮沼 啓介 , 蓮沼 啓介. 百一新論の成立事情. 1981-06. 神戸法学雑誌 31(1) p. p59~78
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I2263072-00 (NCID:AN00086284) -
青山霞村/原著 , 田村敬男/編 , 青山霞村 , 田村敬男. 山本覚馬伝 改訂増補〔版〕. 京都ライトハウス, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005075770-00 (NCID:BN06340255) -
清水多吉 著 , 清水, 多吉, 1933-. 西周 : 兵馬の権はいずこにありや. ミネルヴァ書房, 2010. (ミネルヴァ日本評伝選)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010853325-00 , ISBN 9784623057740 (NCID:BB01906693) -
同志社山脈編集委員会 編 , 同志社. 同志社山脈 : 113人のプロフィール. 晃洋書房, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003978732-00 (NCID:BA60107607) -
山本覚馬の『百一新論』出版の不思議. (同志社女子大学HP>新島八重×同志社女子大学>コラム)
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/yae/column/140520.html [参照 2016-11-16]
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松島弘 著 , 松島, 弘, 1936-. 近代日本哲学の祖・西周 : 生涯と思想. 文藝春秋企画出版部, 2014.
- キーワード
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- 同志社
- 山本覚馬
- 西周
- 百一新論
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 卒業生
- 登録番号
- 1000208567