レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/11/20
- 登録日時
- 2016/03/06 00:30
- 更新日時
- 2016/03/06 00:30
- 管理番号
- 6001012855
- 質問
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解決
聴覚障がい者のコミュニケーション法のひとつである「キュード・スピーチ」についての資料を探しています。
これは読話の補助として、口の形で母音を、手の形や動きで子音を表すキューサインを出し、その組み合わせで、日本語の音を表す方法です。
- 回答
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キュード・スピーチについて、当館蔵書からご紹介します。
1.図書
1)『指文字の研究』(神田和幸/著 光生館 1986.5)【378.2/47】貸出可
p.27-35 キュード・スピ-チについてまとまった記述があります。
p.30-32に「図1-13 キュー一覧」(出所:千葉聾学校幼稚部編「幼稚部言語指導計画」p.10-12)が掲載されています。
2)『難聴児の言葉の学習・子育て・難聴理解 難聴児をお持ちの親御さんへ』(我妻敏博/著 田研出版 2013.8)【378.2/349N】貸出可
p.227 「キュード・スピーチは話し言葉を学習する過程で一時期だけ用いる方法です。聞き取りや発音ができるようになればキューサインは使わないようにしていき、最終的にはキューサインなしで会話ができるようにします。キュード・スピーチは昭和時代に多くの聾学校で、特に幼稚部を中心に使われていました。キュード・スピーチ法は音声言語でのコミュニケーションをスムーズにし、話し言葉を学習するうえでも優れた方法です。平成に入って手話を使う聾学校が増えてくると、キュード・スピーチを使う聾学校は減少しましたが、現在でもキュード・スピーチを使っている聾学校はあります。」
3)『教育用語辞典』(山崎英則/編集委員代表 ミネルヴァ書房 2003.7)【370.3/51N】貸出不可
p.117 「音声に手指記号をともなわせて発話する方法で、音声言語でコミュニケーションする聴覚口話法の範疇に入る。音声語は、口型だけでは区別できない場合も多いが、手指による手がかりを増やし受容と発音の曖昧さをなくすことができる。」
4)『デフ・スタディーズろう者の研究・言語・教育 オックスフォード・ハンドブック』(マーク・マーシャーク/編 明石書店 2015.2)【378.2/356N】貸出可
キュード・スピーチについては、p.17,76、181-184、186-187、193、206、208、468-471、686、771、851-852、867、869に記述がありますが、英語原書の翻訳版です。
5)『言語聴覚士のための子どもの聴覚障害訓練ガイダンス』(立石恒雄/編 医学書院 2004.4)【496.6/35N】貸出可
p.162-168 第二章 9.「精神遅滞と対人関係の問題を併せ持つ難聴児⇒聴覚活用が困難であった例」にキューサインにより言語取得に変化が見られた事例があげられています。専門的・医学的な内容です。
6)『聴覚障害 リハビリテーション医学全書』(後藤修二/編 医歯薬出版 1984.7)【496.6/29N】貸出可
p.410 第6章 聴能の訓練にキュード・スピーチについての解説があります。
2.雑誌論文
雑誌論文については、当館契約の『CiNii』等で検索したところ、ご照会事項に関連すると思われる記事が5点ありました。当館に所蔵がありましたので、内容を確認しました。
1)「京都聾学校幼稚部におけるキュード・スピ-チ利用による実践(特集 キュード・スピ-チをめぐって(Ⅰ))」(馬場喜美子/著 『ろう教育科学』26(1) ろう教育科学会 1984.6 p.11-23)
京都聾学校幼稚部におけるキュード・スピーチ利用の記述があり、キューサインの指導とその際使用している図も表示されています。
2)「米国聴覚障害児教育におけるキュード・スピーチの動向について」(都築繁幸/著 『ろう教育科学』27(3)(ろう教育科学会 1985.10 p.19-30)
アメリカにおけるキュード・スピーチの動向に関する論文です。
3)「キュード・スピーチの受容能力について」(宍戸純子/著 『ろう教育科学』28(1) ろう教育科学会 1986.4 p.19-23)
香川県立聾学校のキュー・サイン(昭和59年9月現在)とキューサインの分析観点別分類が掲載されています。
4)「特別報告 キュードスピーチの実践とその成果・・千葉聾学校幼稚部におけるキュードスピーチ(特集 ろう教育科学会第39回大会)」(渡辺勉/著 『ろう教育科学』40(1)(ろう教育科学会 1998.4 p.5-10)
p.9に参考文献の項に千葉県立千葉聾学校作成の『キュード・スピーチの手引き』とビデオ『キュード・スピーチってなあに(清音編)』の名前があがっていました。
5)「音韻意識の発達とコミュニケーション手段: キュードスピーチと指文字について」(長南浩人/著 『ろう教育科学』49(4)(ろう教育科学会 2008.1 p.191-197)
キュード・スピーチと指文字の構造上の違いについての考察が述べられている論文で、専門的・学術的論文です。
[事例作成日: 2015年11月20日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 障害児教育[特別支援教育] (378 8版)
- 参考資料
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- 指文字の研究 神田/和幸∥著 光生館 1986.5 (27-35)
- 難聴児の言葉の学習・子育て・難聴理解 我妻/敏博∥著 田研出版 2013.8 (227)
- 教育用語辞典 山崎/英則∥編集委員代表 ミネルヴァ書房 2003.7 (117)
- デフ・スタディーズろう者の研究・言語・教育 マーク・マーシャーク‖編 明石書店 2015.2 (17,76,181-184,186-187,193,206,208,468-471,686,771,851-852,867,869)
- 言語聴覚士のための子どもの聴覚障害訓練ガイダンス 立石/恒雄∥編集 医学書院 2004.4 (162-168)
- 聴覚障害 第2版 後藤/修二∥編 医歯薬出版 1984.7 (410)
- ろう教育科学 京都大学文学部 ろう教育科学会 (26(11) 11-23)
- ろう教育科学 京都大学文学部 ろう教育科学会 (27(3) 19-30、28(1) 19-23)
- ろう教育科学 京都大学文学部 ろう教育科学会 (40(1) 5-10)
- ろう教育科学 京都大学文学部 ろう教育科学会 (49(4) 191-197)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000188927