レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年12月27日
- 登録日時
- 2013/12/18 15:13
- 更新日時
- 2013/12/27 16:38
- 管理番号
- 岩手-164
- 質問
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解決
「デンデラ」の意味と姥捨てが行われた理由について
- 回答
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「デンデラ野」は遠野市では「姥捨」または「死者の霊の行く処」を意味する。姥捨は習わしや習慣として行われていた。
『遠野物語小事典』p165「デンデラ野」の項目には次のような記述がある。
一部抜粋 “『拾遺』および『聴耳』に60歳を超えた老人を捨てた場所と記されている。『物語』には蓮台野となっているが、デンデラ野はこの転訛であるともいわれる。(中略)旧青笹村のデンデラ野では、死者がある時、夜中にシルマシ(予兆)があって、(中略)デンデラ野を通過したという。”
関連資料は以下のとおり。
『遠野物語小事典』
⇒p165「デンデラ野」
『遠野物語 付・遠野物語拾遺』
⇒p201 題目の268にデンデラ野に関する話掲載。
備考:『遠野物語拾遺』は、昭和10年発刊の『遠野物語 増補版』に収録されている。『遠野物語』の続編を望んでいた柳田が佐々木喜善にもそのことを奨め原稿を整理していたが、数量が多いことや、重複する内容などがあり難航する。その間に佐々木が他界したため一冊の本という形ではなく、拾遺として収録された。299の題目から成る。
『注釈遠野物語拾遺 下』
⇒p168 「二六八 遠野郷のデンデラ野」
『遠野市史 第3巻』
⇒p443 「4.棄老伝説と信仰」
『姨捨の系譜』
⇒p82~97 「柳田国男「親棄山」」
p227~240 「山本昌代「デンデラ野」」
『キネマ旬報』第1587号
⇒p92~95 天願大介「デンデラ」監督インタビュー
『波』第43巻 第7号
⇒特集 佐藤友哉『デンデラ』刊行記念
p10~11 「ダンダラ」佐藤友哉
p12~13 「老婆軍団VS巨大羆」香山二三郎
『楢山節考』
- 回答プロセス
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・遠野物語関連の資料を確認。
・『遠野市史』を確認。
・民俗関連の中で、姥捨てに関する資料を探す。
・映画「デンデラ」関連の資料を確認。
- 事前調査事項
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岩手県遠野市の地名に“デンデラ野”があるので関係があるのではないか。映画「デンデラ」(2011年6月公開)から興味を持った。
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (38 9版)
- 日本文学 (910 9版)
- 地理.地誌.紀行 (29 9版)
- 参考資料
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『遠野物語小事典』野村 純一∥〔ほか〕編著 ぎょうせい∥出版 1992年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002173636-00 , ISBN 4324030588 -
『遠野物語 付・遠野物語拾遺』柳田 国男∥[著] 角川書店∥出版 2004年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007608860-00 , ISBN 4043083203 (角川ソフィア文庫) -
『注釈遠野物語拾遺 下』遠野物語研究所∥編著・出版 2013年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024524112-00 -
『遠野市史 第3巻』遠野市史編修委員会∥編 森 嘉兵衛∥監修 遠野市∥出版 1976年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000970466-00 -
『姨捨の系譜』工藤 茂∥著 おうふう∥出版 2005年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007654660-00 - 『キネマ旬報』第1587号(通巻2401号) キネマ旬報社∥出版 (2011年7月上旬号)
- 『波』第43巻 第7号(通巻第475号) 新潮社∥出版 (2009年7月)
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『楢山節考』深沢 七郎∥著 中央公論社∥出版 1977年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003294888-00
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『遠野物語小事典』野村 純一∥〔ほか〕編著 ぎょうせい∥出版 1992年
- キーワード
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- デンデラ
- 姥捨
- 遠野物語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000141941