レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年07月08日
- 登録日時
- 2016/07/15 15:50
- 更新日時
- 2016/07/15 15:50
- 管理番号
- いわき総合-地域432
- 質問
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解決
いわき市四倉町にあった「いわき近代美術館」について、所在地の住所や外観の写真、所蔵品が現在どうなっているかなどが知りたい。
- 回答
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「いわき近代美術館」については、次のとおりです。
■名称 いわき近代美術館 中村正義記念館
■所在地 いわき市四倉町細谷水俣75
■館長 小松三郎氏(小松美術印刷所社長)
■開館 昭和58(1983)年9月
■閉館 平成元(1989)年6月
■敷地面積 5,200平方メートル
■建築面積 343平方メートル
■収蔵品 横山大観、村上華岳、川合玉堂、速水御舟、小杉放菴、中村正義、加山又造、藤田嗣治、佐伯裕三、シャガール、中村一政、宮本三郎など。
総合図書館では、『中村正義展』(1983)、『小牧源太郎 その軌跡と展望展』(1985)、『巨匠平山郁夫展』(1987)、『加山又造展』(1988)の図録を所蔵しています。外観のカラー写真、所在地住所もこちらで確認できます。
また、夕刊「いわき民報」では、当時の状況が詳しく報じられています。
「私立いわき近代美術館 オープンは6月ごろ」(昭和58年1月1日 58面)
「改装急ぐいわき近代美術館」(昭和58年6月2日 8面)
「いわき近代美術館オープン」(昭和58年9月1日)
「いわき近代美術館が閉館 箱根へ中村正義記念館移す」(平成元年6月29日 8面)
上記新聞記事によると、館長の小松三郎氏が長年にわたり私財を投じて絵画の収集につとめ、“日本のゴッホ”といわれた中村正義のコレクションは有名で、その数は約200点にのぼったそうです。
新舞子にほど近い松林のなかに建つ豪華な建物は、開館の約10年程前にある実業家が別荘として建設したもの。当時数億円を投じたもので、内外装とも贅沢なつくりで話題でした。これを小松氏が公売落札し、美術館として開館しました。
約6年間という開館期間でしたが、県内外から18万人の来館者があり、閉館を惜しむ声が多く寄せられたそうです。
平成元年6月の閉館後は、神奈川県箱根町の「成川美術館」の敷地内に移転し、収蔵品もそちらへ移されたということです。(続報記事はなし)
最近の情報がないか、インターネットで「いわき近代美術館」「小松コレクション」をキーワードに検索すると、次のサイトがヒットしました。
「小松コレクション 中村正義展の開催について」(豊橋市美術博物館)
http://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/21117/houdou.pdf [最終アクセス2016.7.8]
「小松コレクションご恵贈!2015/04/20」(福島県立平養護学校ブログ)
http://www.taira-sh.fks.ed.jp/index.php?key=jobzkz4vp-112 [最終アクセス2016.7.8]
2014年12月には、豊橋市美術博物館で「小松コレクション 中村正義展」が開催されています。このプレス資料に、いわき近代美術館についてと、小松コレクションは散逸することなく、2001年に小松三郎氏が没した後も遺族によって大切に保管されている、といった記述がありました。
また、2015年4月には、福島県立平養護学校に小松コレクションの一部が遺族により寄贈されているようです。
- 回答プロセス
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回答のとおり。
なお、『美術年鑑 昭和60年版』も確認するが、「いわき近代美術館」は掲載されていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 叢書.全集.選集 (708 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『中村正義展』[K/708/ナ・1111444103]
- 【資料②】『小牧源太郎 その軌跡と展望展』[K/708/コ・1111990618]
- 【資料③】『巨匠平山郁夫展』[K/708/カ・1111990634]
- 【資料④】『加山又造展』[K/708/キ・1111990626]
- 【資料⑤】「いわき民報 縮刷版」
- 【資料⑥】Web「小松コレクション 中村正義展の開催について」[最終アクセス2016.7.8]
- 【資料⑦】Web「福島県平養護学校ブログ」[最終アクセス2016.7.8]
- キーワード
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- いわき近代美術館
- 小松美術館
- いわき 美術館
- 新舞子 美術館
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000194791