レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年07月27日
- 登録日時
- 2018/08/11 16:24
- 更新日時
- 2018/08/11 16:24
- 管理番号
- いわき総合-地域563
- 質問
-
未解決
「蒸しかまど」(昔の炊飯器のようなもの)は、「いわき」で発明されたと聞いた。本当なのか知りたい。
- 回答
-
下記の新聞記事より、「蒸しかまど」が、昭和の初期に いわき市平町で作られていたことがわかりました。
・『常磐毎日新聞』昭和7年1月13日 第4面(小鍛式極東ムシカマドの広告)
・『常磐毎日新聞』昭和10年6月29日 第3面(平町特産のムシ竈製造)
さらにその記事から、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を調査した結果、
昭和5年に福島県磐城郡平町の小鍛冶兼吉氏が、「竈(かまど)」で8月に特許・実用新案を出願し、特許庁に12月に認められ、公開されていることがわかりました。
特許は「竈」で「蒸しかまど」ではありませんが、内容をみると「蒸しかまど」と思われます。
「蒸しかまど」は「いわき」で発明されたとは言えませんが、「いわき」で製品として特許をとり、製造販売されていました。
- 回答プロセス
-
まず、「蒸しかまど」について様々な文献を調べが、見つからなかった。
(『日本民俗大辞典』、『民俗風俗図版レファレンス事典』、『食の民俗事典』、『台所道具いまむかし』、『にっぽん台所文化史』『聞き書き福島の食事』、『いわき市伝統郷土食調査報告書』で 竈、蒸し器、セイロ等を調査した。)、
次にGoogle で「むしかまど いわき」で検索し、ブログ「磐城蘭土紀行」から、常磐毎日新聞の記事を知った。その結果、国立国会図書館の「リサーチ・ナビ」の「特許番号から特許原文献を入手する」を参考に、番号から『実用新案出願公告』をみつけた。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衣食住の習俗 (383)
- 参考資料
-
- 『常磐毎日新聞』昭和7年1月13日(小鍛式極東ムシカマドの広告) (http://library.city.iwaki.fukushima.jp/manage/archive/upload/00000_20130128_4210.pdf *当館所蔵のデジタル資料)
- 『常磐毎日新聞』昭和10年6月29日(平町特産のムシ竈製造) (http://library.city.iwaki.fukushima.jp/manage/archive/upload/00000_20130128_4978.pdf)
- 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)工業所有権情報・研修館 (https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)
- キーワード
-
- 台所
- 竈
- 蒸しかまど
- ムシカマド
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 「蒸しかまど」は、釜と火をたく部分を陶器の上下の器で囲むようにして、ご飯を炊く竈のようです。昭和20-30年代にガスや電気の炊飯器に追いやられましたが、美味しく炊けるため、復刻され、最近はネットで販売されています。外国ではバーベキューに使われています。ただ、それらはすべてネット情報で、江戸時代や明治時代に使われていたことがわかる文献等は見つかりませんでした。どなたか、文献をご存知でしたら、教えてください。
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000240482