日中戦争期の戸籍法をお調べしましたところ、在外邦人が戸籍に変更を加える際の手続きについて記述がございました。
大正3年施行の戸籍法が、幾度か改正を経つつ、昭和22年まで存続しており、
日中戦争中はこちらの戸籍法に則って戸籍に関する事務・手続き等が行われていたと考えられます。
こちらの、第一章、第61条に、「外国に在る日本人が其国の方式に従ひ届出事件に関する証書を作られしたるときは一ヶ月内に其国に駐在する日本の大使、公使、又は領事に其証書の謄本を提出することを要す
大使、公使又は領事が其国に駐在せざるときは本籍地の市町村長に謄本を発送することを要す」とあります。
したがって、日本人が戸籍に変更を加える際は、日本の大使、公使又は領事に届出をだす必要があり、大使等のいない場所においては日本に郵送することで手続きしていた、ということがわかります。
明治期からの法令については国会図書館の以下のデータベースから検索可能です。
http://hourei.ndl.go.jp/SearchSys/index.jsp国立国会図書館が提供するデータベースです。明治19年以降の法令の制定・改廃等の情報と、帝国議会・国会に提出された法案の審議経過等の情報を検索できます。
法令索引→廃止法令→ 今回は「戸籍」で検索し、該当する年代の戸籍法を確認しました。
また、ご参考のため、中国側の事情については以下のデータベースをご紹介いたします。
抗日战争与近代中日关系文献数据平台
(=抗日戦争と近代中日関係文献データベース)
https://www.lib.pku.edu.cn/portal/cn/news/0000001773まずは、画面の右端の「注册」から利用登録する必要がありますが、
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ただし、ダウンロードには制限があるようです。(毎月2000ページ以内)
上記DBで「户籍」をキーワードに検索するといくつかの文献がヒットします。
例えば、瞿曾泽著、徐宝鲁发行「户籍法释义」(上海法学编译社 1937.1)は、戸籍法の解釈について解説しています。
「第四款 結婚」の項目で、婚姻登記について説明しています。
内容については原文をご確認ください。
http://www.modernhistory.org.cn/result.htm?searchType=1&search=%E6%88%B7%E7%B1%8D&typeRange=0