レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年10月30日
- 登録日時
- 2016/01/14 17:42
- 更新日時
- 2017/05/25 11:19
- 管理番号
- wul-20151030-01
- 質問
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南シナ海海域で発生した中国が関連した係争紛争の数を各年度ごとに知りたい。出来れば、1990~2015年をグラフ化したい。
- 回答
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係争紛争の数を一覧できる統計等は見つけられなかったが、年表形式で南シナ海の係争紛争をまとめている資料は下記の通り。
○New York Timesのウェブサイト:South China Seaに関する同紙の報道を時系列で閲覧することができる。
○Center for a New American Security(CNAS、新アメリカ安全保障センター)のウェブサイト:「FLASHPOINTS Security in the East and South China Seas, Timeline: 1955-Present」にて、East and South China Seasの係争紛争を追うことができ、吹き出し内の矢印をクリックすると係争紛争の詳細情報と情報源(主に新聞のよう)が表示される。またこのサイトには、同シンクタンクの発行する報告書が掲載されており、南シナ海、中国関連の内容が多く記述されているようだ。
○Recent Trends in South China Sea Disputes (report):Boston Global Forum主催で開かれた国際フォーラムの報告書。ベトナムの研究者などが作成に関わっている。同報告書のAppendix 1 に「The use or Threat of Force in the South China Sea Disputes since 1945: A Timeline」とあり、今年の係争紛争まで追うことが可能となっている。情報源は新聞が多く含まれているようだ。
○東アジア戦略概観 / 防衛研究所 編:日本のシンクタンクが発行する年鑑。最新版を確認したところ、「悪化する南シナ海問題」が章立てされている。情報源は海外の新聞が多いようだ。早稲田大学中央図書館では過年度版も所蔵あり。
○世界軍事情勢 / 史料調査会 編:日本のシンクタンクが発行する年鑑。2013年版をもって刊行中止となっている。2013年版を確認したところ、「東南アジア・豪・印度、中国の南方進出へ厳戒、協力へ」が章立てされている。早稲田大学中央図書館では過年度版も所蔵あり。
○Wikipedia「Territorial Disputes in the South China Sea」:「Timeline of events」には情報源の記載がないものもある。
- 回答プロセス
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(1)早稲田大学中央図書館における参考書架のブラウジングで以下の書籍を確認した。
○世界軍事情勢 / 史料調査会 編:項目ごとに年表形式。最新の2013年版を見ると第1部(3)「東南アジア・豪・印度、中国の南方進出へ厳戒、協力へ」などの項目で2012年の動きが月日単位で記載されている。この年鑑をたどれば拾えるかもしれないが、すこし大変そう。巻末に2006年からの年表があるが、簡略されたもののようで、探している情報は記載されていなかった。
○東アジア戦略概観 / 防衛研究所 編:最新の2015年版には第4章の1に「悪化する南シナ海問題」がある。文章記述。直近1年間の動きが細かく解説されている。この1章だけで60の文献が引用されているが、海外の新聞を引用しているようだ。その他公的な機関としてはやはりASEANと、それからアメリカ国務省の機関(Office of Ocean and Polar Affairs, Bureau of Oceans and International Environmental and Scientific Affairs, US Department of State)が挙げられている。
○国際紛争・内戦史事典 : トピックス1901-2009 / 日外アソシエーツ編集部 編:表題の主題に関する年表。事項名索引「南シナ海」、国名索引「中国」などで引くと「中越国境問題で協定(1993.10.19)」の1件のみ。
(2)CiNii Aritclesで「南シナ海」+(「中国」「領有」など)で検索)、オンラインで読めるものを確認した。
○ベトナム-中国関係 : 協調のなかの管理された対立:「図表6 南シナ海領有権問題の概念図」という地図があり、「紛争中の島嶼」が示されているのだが、「出所:筆者作成」とのこと。
○南シナ海の領有権問題 : 中国の再進出とベトナムを中心とする東南アジアの対応:前記「ベトナム-中国関係 : 協調のなかの管理された対立」で引用されていた文献。探しているデータはなし。
(3)ASEAN、UN、US国務省などの統計データをあたってみることとする。
(4)New York Times のウェブサイト:「South China Sea」にて2014年までの出来事であれば時系列でみられるようだ。また、それより古いものも、記事が集められているようである。
(5)Wikipedia だが、「Territorial Disputes in the South China Sea」の立項あり。ソースはニュースサイトが多い。
(6)Google で「south china sea dispute」で検索。いくつか南シナ海の係争のタイムラインを載せているウェブサイトがヒット。
○新アメリカ安全保障センター(CNAS):「係争のタイムライン」http://www.cnas.org/flashpoints/timeline、「報告書類」http://www.cnas.org/flashpoints/bulletin
○Boston Global Forum:2015年7月にBoston Global Forum主催で開かれた国際フォーラムの報告書が入手可能。Appendix 1 が 「The use or Threat of Force in the South China Sea Disputes since 1945: A Timeline」でかなり最近まで追えるようだ。http://bostonglobalforum.org/blog/2015/10/boston-global-forum-calls-for-u-s-role-in-south-china-sea-conflict-with-china/
- 事前調査事項
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レファレンスインタビュー詳細
(1)利用者の「係争紛争」の定義は、国際◎◎裁判所などに訴えるようなものでなく、小競り合いのようなもの。どのくらいあったかグラフ化したいとのこと。事前調査は、インターネットで簡単に調べたがうまく見つからないとのこと。SIPRI年鑑は確認したが、当該データは見つけられなかったとのこと。
(2)日本の防衛相、外務省の白書、e-statなどを引くが、量的な統計は見つからなかった。
(3)新聞記事検索を行い、ざっと見ただけだがそのような統計は見つからなかった。
(4)『中国情報源』や『中国情報ハンドブック』には該当のデータがなかった。
(5)ASEANの「statistics」は経済統計のみのようだった。
→東南アジア各国の防衛相や統計局などの統計は見た方がよいかもしれない、という提案をしたうえで受け付けた。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院学生
- 登録番号
- 1000187054