レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/2/2
- 登録日時
- 2016/03/29 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:31
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000362
- 質問
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解決
【時計師について】 江戸時代の石川県の旧藩における藩政日記や日録と云った藩の記録、分限帳、諸職人の記録などから、職人としての時計師の存在やその事績について、教えてほしい。
- 回答
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〇藩の記録、分限帳
『加賀藩御細工所の研究 1』(119617509)に諸記録、分限帳の翻刻が収録されている。底本及びその他の関連史料については、近世史料館ホームページに掲載されている『加越能文庫解説目録』を参照のこと。
【URL】https://www2.lib.kanazawa.ishikawa.jp/kinsei/archive.htm
〇諸職人の記録
金工の御用職人であった水野源六家の史料が『金沢金工師水野源六家史料』(109072587)として翻刻・紹介されているが、時計に関する記述は見つけられなかった。
〇職人としての時計師の存在やその事績
『からくり師大野弁吉とその時代』(118492482)本康 宏史/著 p.18-22「時刻制度(時鐘法)の改正」に、遠藤高璟らによる時刻改正の沿革がまとめられている。その中に「正時版」という時計を制作した「金沢竪町住 時計師與右衛門」「御時計師治助」の名がみえる。
『金沢町名帳』の竪町の項に「時計師與右衛門」の名は見当たらないが、高道町の項に「時計細工 時計師 七兵衛」の名がみえる。
郷土資料新保家文書(090-1287-240-12)は時計屋次助が割場留書所に宛てたもので、時計師が割場を通じて藩に召し抱えられたことを示すかと思われる。
その他、藩政期の時計に関する資料は以下のとおり。
『科学技術の19世紀』(119455895)p.24-25、『時代に挑んだ科学者たち 19世紀加賀藩の技術文化』(113021341)p.89、『加賀藩士 百万石の侍たち』(119706805)p.81-82に、遠藤高璟らが製作した時計の図版が掲載されている。
『加能郷土辞彙』(初版)p.185「金沢時鐘記」(遠藤高璟による時刻改正の記録)、p.308「午正機」(日時計)
『加賀藩史料 第12編』p.837「(文政2年)閏四月廿五日。前田斉広老臣等にその蔵する管弦時計を観覧せしむ。」
『加賀藩史料 第14編』p.280「(天保3年)閏十一月廿二日。前田斉泰老臣等に阿蘭陀鏡・管弦時規及びエレキテルを観覧せしむ。」
『河野文庫目録』p.31「根付時計之義ニ付書状」、p.50「河野久太郎略年譜」の中に「御時規御用」が散見される。
『西尾文庫目録』p.24「日時計」
市史文庫『遠藤高璟文書』p.86「献上之御時規由来并用法之覚」(史料番号 特34.21-15-5)
加越能文庫、河野文庫、西尾文庫、市史文庫については近世史料館で閲覧可能である。
<追記>
2月4日付で追加質問あり。『加賀藩史料 第4編』p.23-24、寛文3年6月1日条の中にある「時計屋徳兵衛」に関する情報提供依頼があった。『小松史 上巻』p.544に同文が掲載されていることを確認したが、それ以上の情報は追加できなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000190326