弘法大師が山形へ行ったことを示す資料ということで
下記の資料を探しましたが見つかりませんでした。
○思想読本空海
→巻末のp.202-210の「空海年表」を見ましたが空海が山形に行ったという記述は発見できませんでした。
○空海伝説の形成と高野山
→p.173に次のような記述がありますが山形に行ったという記述は発見できませんでした。
「・・・東国ー下野およびその近辺への若年修行が、空海にはなかったことが、推測できる。」
「・・・東国修行の伝は、初期の伝記には記されなかった。空海の修行は、主に生国の四国、および、入定地の高野山等である。・・・」
「・・・入寂後60年ののちの、9世紀末の伝説に、はじめて、若年の東国修行の伝説が載せられ、その記事は展開することなしに、11世紀末に至っている。」
「11世紀末になって、東国修行、陸奥における寺院建立の伝説が、展開してくる。」
○空海の軌跡 佐和隆研/著 毎日新聞社 1973
→p.203-に「空海の地方教化」という項があり、空海が実際にどこへ行っているか史実に基づいて考察していますが、山形に行ったという記述は発見できませんでした。
またこの資料には巻末に空海関係地図が掲載されていますが山形県は含まれておりません。
○空海の足跡 角川選書 五来重/著 角川書店 1994
→p.66に「・・・空海は18歳から31歳までのあいだに、近畿地方の山々はもとより、四国、あるいは関東地方にも山林修行の足をのばしたとかんがえられる。」という記述はありますが、山形に行ったという記述は発見できませんでした。
なお、下記の資料には山形における空海伝説がいくつか紹介されていますが、
史実として空海が山形に行ったことを示すものではないと思われます。
○弘法大師伝説集1-3斎藤昭俊/編著 国書刊行会 1976
※調査の結果、史実として空海が山形に行ったことを示す資料は発見できませんでした。