レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年01月29日
- 登録日時
- 2013/03/12 15:51
- 更新日時
- 2013/06/11 13:53
- 管理番号
- 埼熊-2012-250
- 質問
-
解決
終戦直後(昭和20年8月前後)の台湾全島の地図が見たい。
- 回答
-
終戦直後の台湾全島図は見つからなかったが、近い年代(日本統治下)の地図を紹介した。
『精密世界地図帖 アジア要部篇』(統正社 1950)
第17図に、全島図あり。縮尺90万分の1の彩色地形図。
製作年は不明だが、巻頭の「発刊に当りて」によると、戦前より準備し戦中は一時保留、終戦とともに再開し5年後に完成したものとのこと。
『中国分省地図 一九一八年-一九四四年』(凌雲書房 1981)
p92に「参考図・台湾 1941(昭和16年)」の全島図あり。縮尺100万分の1で、鉄道と主要な地名を記載した地図。
『中国商工地図集成』(柏書房 1992)
p24に「台湾視察案内図」あり。縮尺は不明で形もデフォルメされている。視察を行なうための局鉄・社鉄・自動車・台車・徒歩のルートを書き入れたもの。
地図自体の製作年は不明だが、1942年2月発行の「台湾鉄道旅行案内」所収図の複製。
『地図で見る昭和の動き 戦前、占領下、高度経済成長期 解説書』(帝国書院 2004)
p30に、昭和9年の台湾全図が掲載されている。昭和9年版「増訂改版新選詳図帝国之部」から転載されたもの。
『日本統治下の台湾 抵抗と弾圧』(許世楷著 東京大学出版会 1972)
巻末に「台湾全島図」あり。縮尺や製作年は不明だが、本の内容から見て統治下の地図と思われる。また凡例に「本書掲載の「台湾全島図」では現在通用している呼称を( )の中に記した」とあり。
- 回答プロセス
-
自館目録を書名〈地図〉、出版年〈0000-1950〉で検索した結果を確認した。
《国会図書館リサーチ・ナビ》を〈台湾 & 地図〉で検索した結果から次の調べ方案内を確認した。
《台湾総督府時代の台湾の地図(国会図書館調べ方案内》
年代が近いものには「交通路線図」にあった『中国商工地図集成』(柏書房 1992年)
(http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-55.php 国立国会図書館 2013/01/24最終確認)
東北大学《外邦図デジタルアーカイブ》
日本周辺 - 満州および朝鮮半島[TH511403 / ]に、台湾全図が含まれている。
製作時期等は不明だが、外邦図は「明治期から第二次世界大戦終結まで、日本がアジア太平洋地域について作製した地図」(『外邦図 帝国日本のアジア地図』(小林茂 中央公論新社 2011)はしがきより)
この他NDC分類〈292〉の書架や上記〈外邦図〉をキーワードに資料を検索、日本統治下の台湾に関する資料を調査した。該当の地図の記載はないが、参考になると思われる資料は次のとおり。
『台湾五万分の一地図集成』(学生社 1982) 全島図ではないが、明治28年-昭和5年に測量された詳細な区分図。その他調査済み資料は次のとおり。
『大東亜共栄圏地図並地名大鑑』(大日本地理学会編 大日本地理学会 1944)
第4図「大日本帝国全図」中に「西南諸島及台湾」あり。縮尺は500万分の1。第6図「中華民国全図」中にも台湾は収録されている。縮尺は1000万分の1
測量年月日の記載なし。凡例・まえがき・あとがきもないので、正確にいつの時点の地図かは不明。出版年月から1944年6月よりは前のものとわかる。
『中国歴史地図』(朴漢済編著 金秉駿著 平凡社 2009)
『台湾人四百年史 秘められた植民地開放の一断面』(史明著 新泉社 1994)
口絵に「台湾島図」あり。製作年等はないが、現代(中華民国統治下)の行政区分図と思われる。本文中に「台湾地勢図」等の地図も散見される。
『台湾の歴史 日台交渉の三百年』(殷允〓編 丸山勝訳 藤原書店 1996)
口絵に「台湾全図」あり。製作年等はないが、現代(中華民国統治下)の行政区分図と思われる。
『台湾は日本人がつくった 大和魂への『恩』中華思想への『怨』』(黄文雄著 徳間書店 2001)
p「18」に全図あり。製作年等はないが、現代(中華民国統治下)の行政区分図と思われる。
『台湾統治秘史 霧社事件に至る抗日の全貌』(喜安幸夫著 原書房 1981)
p[2]に台湾全図あり。鉄道を主体としたもの。製作年なし。
『台湾 変容し躊躇するアイデンティティ ちくま新書 318』(若林正丈著 筑摩書房 2001)
口絵に「台湾全図」あり。製作年等はないが、現代(中華民国統治下)の行政区分図と思われる。
『図説台湾の歴史』(周婉窈著 濱島敦俊監訳 平凡社 2007)
p98 図表12 1895年日本軍三路進攻図(出典:『攻台戦紀』遠流 1995)あり。進攻図なので、一般的な地図ではないし、時代も異なる。
『地図で見る昭和の動き 戦前、占領下、高度経済成長期 解説書』(帝国書院 2004)
p30 昭和9年の台湾(昭和9年版 帝国之部 第50図)昭和9年の台湾全図あり。「増訂改版新選詳図帝国之部」収載のもの。
『台湾近現代史研究 〔第1号〕』(台湾近現代史研究会 1978)
p7 図1『東京日日新聞』所載 台湾図 模図。簡易な地形図 製作年なし
『近代日本の地図作製とアジア太平洋地域 「外邦図」へのアプローチ』(小林茂編 大阪大学出版会 2009)
p109-130「第2章 台湾の諸地形図について」(清水靖夫)台湾領有後、日本政府が作製した種々の地図についての解説で、地形図そのものは掲載なし。p130に文献あり。
『台湾五万分の一地図集成』(学生社 1982)
明治28年-昭和5年に測量した地形図。5万分の一なので詳細だが、全体図はなし。
『測量・地図百年史』(日本測量協会 1970)
p444-450「第1章 台湾」台湾の測量と地図についての解説で、地形図そのものは掲載なし。
「台湾全島地図」(台湾日日新報社 1928)《国会図書館サーチ》京都府立図所蔵
- 事前調査事項
- NDC
-
- アジア (292 9版)
- 参考資料
-
- 『精密世界地図帖 アジア要部篇』(統正社 1950)
- 『中国分省地図 一九一八年-一九四四年』(凌雲書房 1981)
- 『中国商工地図集成』(柏書房 1992年)
- 『地図で見る昭和の動き 戦前、占領下、高度経済成長期 解説書』(帝国書院 2004)
- 『日本統治下の台湾 抵抗と弾圧』(許世楷著 東京大学出版会 1972)
- キーワード
-
- 台湾-地図
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000128770