レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/04/24
- 登録日時
- 2009/06/19 02:11
- 更新日時
- 2016/11/10 13:04
- 管理番号
- 埼久-2009-014
- 質問
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解決
杜甫の「寄李白」という詩を読みたい。
- 回答
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『杜甫全詩集 2』(日本図書センター 1978)p195に「寄李十二白二十韻」という詩があり。この詩題の「李十二」の十二は排行。李白と杜甫の年齢差が12だったことによる。これが該当の詩と思われ、回答する。
備考に追記有。(2015/01/16、2016/11/10)
- 回答プロセス
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『漢詩大観』の索引に「寄李白」は見あたらず。
『杜甫全詩集 1』の目次から、李白に関すると思われる詩は、「冬日有懐李白」「春日憶李白」「送孔…呈李白」
「贈李白」などがあり。質問の詩ではない。
『唐詩類苑 7・上 索引』(汲古書院)〈杜甫〉の項で「寄李白」に類似の「寄李十二白二十韻」という詩があり。
当詩は『杜甫全詩集 2』p195に詩と解釈があり。李白のことを詠んだ詩とわかる。
類似の文言が入った詩に、『漢詩大系 9 杜甫』(集英社)p23「与李十二白同尋范十隠居」(李十二白と同(とも)に范十の隠居を尋ぬ)があり。詩の「李十二」の「十二」は排行というものとわかる。排行を記したこの詩では十二、十が排行。また、「二十韻」は詩の行数が20あることによる。
『日本国語大辞典』(小学館)を調べると、「中国では姓の下に年齢順の数字を添えて李十二、李十三などと呼んだ。」という記述あり。
- 事前調査事項
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調査済み資料:「唐詩鑑賞辞典」(前野直彬 東京堂出版 1970)「漢詩名句辞典」(鎌田正 大修館書店 1980)
「中国古典文学大系 17」(筑摩書房 1969)「中国詩人選集 9、10」(岩波書店 1990)「中国の名詩 5 漂泊の詩人杜甫」(平凡社 1983)
その他、ネットでも「寄李白」等で検索したが、全文を把握できるページを確認できず。
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 参考資料
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- 『唐詩類苑 7・上 索引』(張之象 汲古書院 1995)
- 『杜甫全詩集 2』(日本図書センター 1978)
- キーワード
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- 漢詩-中国-唐時代
- 杜甫(トホ)
- 李白(リハク)
- 排行
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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国会図レファ協データベース事業サポーター様より情報をいただく。以下、調査内容の本文。(2015/01/16)
既にご解決の事例ですが、下記文献にも原文、書き下し文、訳がありました。
『杜詩 第3冊』(杜甫著 鈴木虎雄、黒川洋一訳注 岩波書店 1965)
p156-162 「寄李十二白二十韻」
国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター様より情報をいただく。以下、調査内容の本文。(2016/11/10)
ご解決済みの事例ですが、最近刊行された下記文献にも、該当詩の原文、書き下し文、現代語訳など
が収録されていました。
「杜甫全詩訳注 2」([杜甫著] 下定雅弘、松原朗編 講談社 2016(講談社学術文庫 [2334]))
ISBN:9784062923347
p110-112 「寄李十二白二十韻 0348」
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000055824