レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1995/04/27
- 登録日時
- 2005/02/11 02:51
- 更新日時
- 2017/05/09 16:22
- 管理番号
- 埼浦-1995-010
- 質問
-
解決
次の漢詩の解説がないか。寒山の詩であると人から聞いた。①「無為無事人 逍遥實快楽」、②「決陂以取魚 是取一期利」。
- 回答
-
『禅の語録 13 寒山詩』(入谷仙介[ほか]著 筑摩書房 1970)
p299-300に「決陂以取魚 是取一期利」についての解説あり。
p337に「無為無事人 逍遥實快楽」について解説あり。
- 回答プロセス
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『中国詩人全集 5 寒山』なし。
『禅の語録 13 寒山詩』は不明図書。
『漢詩大観索引』には記載なし。
『寒山詩』p158,178に、読み下し文はあるが、解説はなし。
以上を連絡すると、「曹山録」かもしれないので知人に聞いてみるとのことで終了する。
<国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター様より情報提供あり。以下、再調査。(2017/04/26)>
自館目録を〈寒山詩〉で検索する。
『禅の語録 13 寒山詩』(入谷仙介[ほか]著 筑摩書房 1970)
p299-300に「決陂以取魚 是取一期利」についての解説あり。
p337に「無為無事人 逍遥實快楽」について解説あり。
「禅の語録 13 寒山詩」(入谷仙介[ほか]著 筑摩書房 2016)については、所蔵なし。
備考欄に追記あり。(2009/05/27)(2009/05/28)
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 漢詩-評釈-唐時代-中国
- 寒山-寒山子
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
近畿大学中央図書館よりコメントをいただく(2009/05/27)。以下、調査情報の本文。
当館に下記が所蔵されていました。
寒山詩 / 入谷仙介,松村昂共著 筑摩書房 , 1970 (禅の語録 13) ISBN:4480323139
該当する詩が収録されており、訳もありました。
p.299
二二一
國以人為本
猶如樹因地
地厚樹扶疎
地薄樹憔悴
不得露其根
枝枯子先墜
決陂以取魚
是取一期利
p.337
二四四
我見出家人
不入出家學
欲知真出家
心淨無繩索
澄澄絶玄妙
如如無倚託
三界任縱橫
四生不可泊
無為無事人
逍遙實快樂
よろしくお願い申し上げます。
近畿大学中央図書館よりコメントをいただく(2009/05/28)。以下、Web情報の本文。
これらの詩の原文は、『全唐詩』に収録されており、寒泉で検索することができました。
寒泉(故宮博物院) 全唐詩
http://libnt.npm.gov.tw/s25/ (2009/05/28確認)
詩三百三首 244 寒山
我見出家人,不入出家學。欲知真出家,心淨無繩索。
澄澄孤(一作絶)玄妙,如如無倚托。三界任縱橫,四生不可泊。
無為無事人,逍遙實快樂。
[頁]卷,冊....[9094]806,23
詩三百三首 223 寒山
國以人為本,猶如樹因地。地厚樹扶疏,地薄樹憔悴。
不得露其根,枝枯子先墜。決陂以取魚,是取(一作求)一期利。
[頁]卷,冊....[9091]806,23
全唐詩檢索系統(元智大學)でも検索できました。
http://cls.hs.yzu.edu.tw/tang/Database/index.html (2009/05/28確認)
ご参考になれば幸いです。
国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター様よりコメントをいただく(2017/04/26)。以下、調査情報の本文。
こんにちは
下記の文献も確認することができました。
寒山詩 入谷仙介, 松村昂著 第2版 筑摩書房, 2016 (禅の語録 13)
ISBN:9784480323132
p.337
ニ四四
無為無事人 無為にして無事なる人 無為であり無事であるこのような人は、
逍遥實快楽 逍遥して実に快楽なり 心のままに自由に歩きまわり、まことに楽しいことである。
p.299
二二一
決陂以取魚 陂を決して以て魚を取るは 池の堤防を切って魚を取りつくすやつがいるが、
是取一期利 是れ一期の利を取るなり それは目先きだけの利益を取ることにすぎない。
ご参考になれば幸いです。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000018903