レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/3/18
- 登録日時
- 2006/12/28 02:10
- 更新日時
- 2021/03/23 09:19
- 管理番号
- 中央-2006-29
- 質問
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日本で牛乳が飲まれた最初の記録が書いてある資料を紹介してほしい。
- 回答
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百科事典の解説を手がかりに、事物起源や飲食史、牛乳(畜産製造)の資料を調査した。
『世界大百科事典 3巻』(平凡社)の「牛」の項の【日本における利用と民俗】に、「牛は日本には大陸から古く渡来した動物で、縄文時代の遺跡から存在が知られるが家畜であったかどうかは疑わしい。・・・牛乳の飲用や加工してバターやチーズをつくることが平安時代まで行われたことは《延喜式》その他の文献にも明らかである」とある。
以下の資料により、日本での牛乳飲用の最初の記録は『新撰姓氏録』であることがわかった。
資料1: 「牛乳」の項の【歴史】に、「日本での牛乳飲用については、650年(白雉1)ころ中国からの渡来人善那使主(ぜんなのおみ、別名福常)が孝徳天皇に牛乳を献じて和薬使主(やまとのくすしのおみ)の姓を賜り、その子孫は典薬寮において乳長上(ちちのおさのかみ)という職名を与えられたという『新撰姓氏録』(815)の記録が古い。」とある。
資料2:p.7に『新撰姓氏録』の原文があり、p.12~13に牛乳についての解説がある。
資料3:「牛乳」の項
資料4:「牛乳」の項
資料5:「牛乳」の項
資料6:「牛乳」の項
資料7:p.13~14に、百済国にいた智聡という人物が渡来し、「智聡の子の善那がはじめて天皇に牛乳を献上した」、「これが、わが国の牛乳史における牛乳飲用のはじめとされている」とある。
資料8:p.56~60に「牛乳飲用の始め」という章があり、資料7に記されていることがらについて、さらに詳しく記述されている。
なお、この資料は複製であり、原本は国会図書館等で所蔵している。
*『大日本牛乳史』 牛乳新聞社編 牛乳新聞社 昭和9年
(国立国会図書館請求記号:667-41)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (031 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 日本大百科全書 6 / 小学館 , 1985 <DR/0310/38/6A>
- 【資料2】 新撰姓氏録の研究 考証篇 第5 / 佐伯有清∥著 / 吉川弘文館 , 1983.5 <2881/89/3-5>
- 【資料3】 古事類苑 方技部 / 吉川弘文館 , 1977 <0312/3/25>
- 【資料4】 図説明治事物起源事典 / 湯本豪一∥著 / 柏書房 , 1996.11 <R/0314/3009/96>
- 【資料5】 舶来事物起原事典 / 富田仁∥著 / 名著普及会 , 1987.12 <R/0314/15/87>
- 【資料6】 日本なんでもはじめ / 泉欣七郎∥共編 / ナンバ-ワン , 1985.3 ( No.1 books ) <R/0314/13/85>
- 【資料7】 牛乳と日本人 / 吉田豊∥著 . 新版 / 新宿書房 , 2000.5 <648.1/5006/2000>
- 【資料8】 大日本牛乳史 / 牛乳新聞社∥編 / 栗田 , [1983] ( 日本食肉史基礎資料集成 第134輯 ) <3838/50/134>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000032478