レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2008/08/21 02:10
- 更新日時
- 2008/08/21 02:10
- 管理番号
- B2007M1091
- 質問
-
解決
花菖蒲の品種「迦陵頻加(カリョウビンガ)」の歴史、由来、命名者を知りたい。
- 回答
-
ご照会の事項について以下のとおり回答します。
お尋ねの花菖蒲の品種「迦陵頻伽」について当館所蔵資料を調べましたが、歴史、由来、命名者に関する情報を確認することはできませんでした。
ただ、「迦陵頻伽」および「迦陵頻伽」の属する江戸系花菖蒲について、参考になると思われる情報が以下の資料に掲載されていましたのでご紹介します。
(【 】内は当館請求記号です。)
・『花菖蒲図譜』(三好学著 芸艸堂 大正11 【YD5-H-422-77】)
(この資料はマイクロフィッシュ資料です。)
[第1冊]のp.17に「迦陵頻伽」の絵が掲載されています。また、[第5冊]解説に花菖蒲の品種紹介があり、その中のp.22に「迦陵頻伽」について説明されています。『花菖蒲図譜』は当館ホームページ内の近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/index.html )に収録されており、上記でご紹介したページについては次のURLでご覧になれます。
[第1冊]p.17
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=43034705&VOL_NUM=00001&KOMA=22&ITYPE=0
[第5冊]p.22
(p.22は冊子上のページ。近代デジタルライブラリーでは19/29コマになります。)
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=43034705&VOL_NUM=00005&KOMA=19&ITYPE=0
・『花菖蒲入門:品種/栽培/手入れ/知識』(石阪晋作著 池田書店 1973 【Y78-1871】)
pp.44-45に江戸花菖蒲について解説があり、「江戸時代から第二次世界大戦前まで、主に東京の堀切地方で栽培されていた品種の総称で、花菖蒲改良の父といわれる松平菖翁や、小高伊左衛門等の改良によるものです。また、ごく古い時代に、山野から集められたと考えられる変わりものもふくまれており、興味の深い一群です。」という説明がされています。
・『花菖蒲』(平尾秀一著 加島書店 1959 【627.6-H498h】)
pp.142-162に東京花菖蒲の品種が紹介されており、その中の「東京種の古花」の中に「加陵頻伽」(p.161)があります。東京種の古花については、p.152に「主として江戸時代から伝わっている品種である」と説明されています。
また、加茂花菖蒲園ホームページ(http://www.kamoltd.co.jp/katalog/index.htm)内の花菖蒲画像カタログに「迦陵頻伽」の写真および解説があり、
‘江戸花菖蒲の古花の一つで、明治になってからの作ということだが、あまり目立たない小型の品種のため、栽培は希。「伽陵頻釈迦」とは、極楽に住む鳥のことである’
(「伽陵頻釈迦」は「迦陵頻伽」の誤りと思われますが原文のまま引用)
と説明されています。下記のURLで写真と解説をご覧になれます。
迦陵頻伽(http://www.kamoltd.co.jp/katalog/b-karyou.htm)
その他、当館所蔵の以下の資料を調べましたが、ご照会の事項に関連する情報を得られませんでした。
・『世界のアイリス:花菖蒲・ジャーマンアイリス・原種』(日本花菖蒲協会編 誠文堂新光社 2005 【RB194-H23】)
・『花菖蒲 : 色分け花図鑑 : 名前の由来と品種がわかる : 庭を美しく彩る品種選びに役立つ本』(永田敏弘著 学習研究社 2007 【RB194-H40】)
・『週刊花百科.no.11 あやめとかきつばた』(講談社 2004 【Y94-H7678】)
・『週刊四季花めぐり.32 花菖蒲・杜若:東日本』(小学館 2003 【RA255-H38】)
・『週刊四季花めぐり.24 花菖蒲・杜若:西日本』(小学館 2003 【RA255-H24】)
・『花菖蒲.3 かつしかブックレット;14』(葛飾区郷土と天文の博物館 2004 【KA434-H23】)
・『花菖蒲 : Horikiri Japan. 2 かつしかブックレット;13』(葛飾区郷土と天文の博物館 2002 【KA434-G27】)
・『花菖蒲 : 江戸の面影・堀切菖蒲園 かつしかブックレット;13』(葛飾区郷土と天文の博物館 1998 【KA434-G27】)
・『ハナショウブ:人気品種の育て方』(日本花菖蒲協会編 日本放送出版協会 1999 【RB194-G80】)
・『堀切と花菖蒲 葛飾区子文書史料集;11』(葛飾区郷土と天文の博物館 1998 【GC67-G170】)
・『最新花菖蒲ハンドブック』(平尾秀一.加茂元照 誠文堂新光社 1981 【RB194-79】)
・『花菖蒲:花と木の文化』(富野耕治,堀中明 家の光協会 1980 【RA347-38】)
・『花菖蒲大図譜』(朝日新聞社 1971 【YP19-32】)
・『花菖蒲:アヤメ類 カラーブックス 園芸ガイド;3』(富野耕治著 保育社 1976 【RB194-50】)
・『花菖蒲』(富野耕治著 泰文館 1967 【627.5-To481h】)
・『花材別いけばな芸術全集.7 杜若・花菖蒲・著莪・檜扇』(主婦の友社 1974 【KD931-40】)
インターネットの最終アクセス日は2007年9月5日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
「植物レファレンス事典」(日外アソシエーツ:2004)のハナショウブの項目に記載の図鑑すべて。
「色分け花図鑑 花菖蒲」(学習研究社:2007)
「仏教植物辞典」(国書刊行会:1982)
「仏教大辞彙」(富山房:1980)
「仏教大辞典」(小学館:1988)
「総合仏教大辞典」(法蔵館:2005)
インターネット検索では、花の写真と品種名のみ確認。「花菖蒲の江戸古花」という以上の詳しい記述は見つけられませんでした。
栃木県立図書館に照会済み。
- NDC
-
- 被子植物 (479 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- ハナショウブ
- 植物学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- NDL副出:470
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000046756