所蔵資料より、精神保健、メンタルヘルス、統計、各国事情などの資料を調査したが、明確な回答の得られる資料はみつからなかった。
関連資料として以下を紹介した。
1 『世界の精神保健医療』(新福尚隆、浅井邦彦編集、へるす出版、2009年刊)
p.97~119に、東南アジア各国の精神保健医療の現状、問題点等が記載されているが、具体的な精神疾患、精神障害については書かれていない。
p.233~242に「Mental Health Atlas等の精神保健データの国際比較」として、WHOの「Mental Health Atlas」等を基に各国のデータが比較されている。医療費、自殺率、精神科医数などのグラフがあるが、具体的な疾病を取り上げた記述はない。
2 『病気と健康の世界地図』(ディアムイド・オドノヴァン著、丸善、2009年刊)
p.50-51に「精神保健(メンタルヘルス)」の項があり、3つの図がある。
・「おもな精神障害」…5つの精神障害について世界の患者の推定数(2002年)がグラフで示されている。
・「地域社会におけるケア」…メンタルヘルスに関するケア施設のある国の割合が示されている。「東南アジア」は50%。
・「自殺率」…割合により世界地図が国ごとに色分けされているが、東南アジア諸国はほとんど「データなし」となっている。
・p.121に出典があり、WHOの資料5点が挙げられている。
3 『世界の精神保健』(世界保健機関編、明石書店、2004年刊)
WHOが2001年に発表した精神障害・精神保健に関するレポートの日本語訳。巻末の索引で地名ごとに記載箇所を探すことができる。
4 『精神保健マニュアル 改訂4版』(吉川 武彦、竹島 正著、南山堂、2012年刊)
p.112「精神保健の世界的な動き」の中に、AAMH(アジア・オーストラリアメンタルヘルス)が取り上げられているが、記載されているのは発足の目的や問題点程度で、具体的な取り組みは紹介されていない。
5 『異国でこころを病んだとき』(鈴木 満編著、弘文堂、2012年刊)
在外邦人の精神保健に関する問題を扱った資料。「第3章 各都市の取り組み」の中で、タイ・バンコク、シンガポール、インドネシア・ジャカルタ、フィリピン・マニラに住む邦人のメンタルヘルスの現状についての記述がある。
6 ウェブサイトの情報も参考として紹介。
WHOの「Mental Health Atlas 2014」がWHOウェブサイトでダウンロードできる。(
http://www.japan-who.or.jp/event/2015/AUTO_UPDATE/1507-4.html 2016年1月確認)
7 事前調査事項にあった『世界ヘルスケア・医療統計データ』の所蔵館を「国会サーチ」、「カーリル・ローカル」で検索したが、国立国会図書館と東京都立図書館しか見つからなかった。「CiNii books」を検索すると、6館の大学図書館が見つかるが、近隣の大学では東海学園大学図書館が2006年版を所蔵しているのみ。
8 専門図書館への問い合わせを提案。
日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所図書館のWebサイトでは、「国別レファレンスQ&A」として、これまでに問い合わせがあったレファレンスから主なものを公開している。また、メールでの問い合わせも受け付けている。(
http://www.ide.go.jp/Japanese/Library/Faq/country.html 2016年1月確認)