レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年03月22日
- 登録日時
- 2012/11/07 02:06
- 更新日時
- 2014/09/04 00:30
- 管理番号
- 10-2D-201203-01
- 質問
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解決
徳川幕府が開府初期に出した以下の法令2点を見たい。
1.「きんちゅうならびにくげしょはっと」漢字は不明。
2.「大船建造禁止令」慶長15年に禁令解除されている。また、詳しい解説も見たい。
- 回答
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1.禁中并公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)
『徳川禁令考 前集第1』(法制史学会/編 創文社,1959)p.1-p.3
『大日本史料 第12編之22』( 東京大学史料編纂所/編纂 東京大学出版会,1997.3)p.161-p.164
に収録されている。
2.大船建造禁止令
寛永12年に発令された「武家諸法度」第十七条に「五百石以上船停止事」とあり。これがいわゆる「大船建造禁止令」のこととされている。「武家諸法度」は、『徳川禁令考前集第1』(法制史学会/編 創文社,1959)p.64に収録。
解説の掲載されている史料として、以下のものをご紹介しました。
『日本海法史』(住田正一/著 五月書房,1981.7)p.237-p.264に、徳川時代における船舶規定について、紹介されている。
『通航一覧 第8』(国書刊行会,1913)p.543-p.545に、「五百石積以上安宅船禁制」として慶長14年に五百石以上の安宅船の没収を命じた事例に関する解説あり。
また同書p.545-546に、「三本船檣禁制」として寛永12年の禁令についての解説あり。
『海事史研究38~44号』(日本海事史学会,1982.4-1987.3)40号p.1に、「鎖国と造船制限令」安達裕之著の論文あり。
『渡辺信夫歴史論集2 日本海運史の研究』(渡辺信夫/著 清文堂出版,2002.7)p.85-p.96に「第二章 江戸幕府の大船禁止令について」あり。
『日本史大事典4 す~て』(平凡社,1993.8)p.521に「大船建造の禁」の項目あり。
- 回答プロセス
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1.商用DB「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)」を“きんちゅうならびにくげしょはっと”で検索。
国史大辞典で「禁中并公家諸法度」の項が確認できた。
その中に、「徳川禁令考」の紹介があり、『徳川禁令考 前集 第1』(法制史学会/編 創文社 1959)に、「禁中并公家諸法度」が収録されていることを確認。
2.商用DB「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)」を“大船建造禁止令”で検索。
「嘉永六年に禁止令を解除した」と国史大辞典で確認できるが、それ以外の情報なし。
“大船”× “建造”× “禁止”で検索すると、国史大辞典で「大船建造の禁」が確認できた。
参考文献が紹介されていたため、当館で所蔵している資料を確認し、ご紹介することとする。
また、『日本史大事典』の索引を確認すると、「大船建造の禁」の記載が確認できた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 法制史 (322 9版)
- 海運 (683 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080141834> 徳川禁令考 前集 第1 法制史学会/編 創文社 1959
- 当館書誌ID <0010545341> 大日本史料 第12編之22 後水尾天皇 東京大学史料編纂所/編纂 東京大学出版会 1997.3 4-13-090572-4
- 当館書誌ID <0080067209> 日本海法史 住田 正一/著 五月書房 1981.7
- 当館書誌ID <0000738001> 通航一覧 第8 国書刊行会 1913
- 当館書誌ID <0080297083> 海事史研究 38〜44号 日本海事史学会 1982.4-1987.3
- 当館書誌ID <0010337305> 渡辺信夫歴史論集 2 日本海運史の研究 渡辺 信夫/著 清文堂出版 2002.7 4-7924-0520-3
- 当館書誌ID <0000336766> 日本史大事典 4 す〜て 平凡社 1993.8 4-582-13104-2
- キーワード
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- 禁中并公家諸法度
- 徳川禁令考
- 大船建造禁止令
- 徳川幕府
- 海運
- 近世
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000113810