レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20050617
- 登録日時
- 2005/12/01 02:13
- 更新日時
- 2005/12/01 18:24
- 管理番号
- D2005F0463
- 質問
-
解決
臨済宗の僧・仏頂国師(一糸和尚・一糸文守)の描いた「枯木に仏法僧鳥の図」(『多摩の野鳥と野草』武蔵野郷土史刊行会、1976.11 に収録)の原画が見たい。
- 回答
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『多摩の野鳥と野草』p.91に引用されている内田清之助「仏法僧後日譚」(下記1)を確認したところ、原文の記述は
「三百年前に一絲和尚(仏頂国師)の描いた『枯木に仏法僧鳥の図』及び扇面に描いた『枯木仏法僧鳥』と題する絵には明かにコノハヅクが現れて居り、声の仏法僧がコノハヅクであることを当時に於て承知して居たらしいのだが、……」(p.119)
となっていました。
この「枯木に仏法僧鳥の図」「枯木仏法僧鳥」の図版は『一絲和尚遺墨集』(下記2)に掲載されていますが、原画は二点とも個人蔵とされています。ただし、「枯木に仏法僧鳥の図」は軸物、「枯木仏法僧鳥」は団扇形(屏風貼混)であるのに対し、『多摩の野鳥と野草』に載る図版は、団扇ではなく扇子に描かれているように見え、また構図も異なるため、『多摩の野鳥と野草』の記述が上記の作品を指して書かれたものかどうかは不明です。これ以外には、仏法僧を描いた作品は見当たりませんでした。
< >内は当館請求記号です。
1 『ツグミ渡るころ 動物随筆選』内田清之助著 創元社 1951 <488-U848t>
pp.117-121 仏法僧後日譚
2 『一絲和尚遺墨集』倉光大愚編 巧芸社 1926
第四十三(3点のうち上図)「枯木仏法僧鳥」(個人蔵)
第四十五(2点のうち左図)「枯木に仏法僧鳥の図」(個人蔵)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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仏頂国師ゆかりの地である京都の(財)禅文化研究所、京都府庁文化財保護課、法常寺、永源寺に問い合わせたが所在せず。県立図書館照会済み。
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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『一糸文守と丹波・法常寺』亀岡市文化資料館 1995
- 『沢庵と一糸』 〔本間美術館〕 1963 <188.82-Ta628>
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中村渓男:一糸文守の墨蹟と絵 (『古美術』10 1965.9 pp.110-112
)
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『一糸文守と丹波・法常寺』亀岡市文化資料館 1995
- キーワード
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- 仏頂国師
- 枯木に仏法僧鳥の図
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000025181