都立中央図書館には、当時実際に配布されていた資料等は残されていない。
点字文庫については、以下の雑誌記事が参考になる。
1 『ひびや』 (東京都立中央図書館館報)第132号 1982.1
p.10~33 矢野暉雄・田中章治著「資料にみる東京市立本郷(駿河台)図書館点字文庫の変遷」
「はじめに」の項で、東京市立図書館における視覚障害者サービスに関する文献・資料を紹介している。この中には、点字図書部の案内や図書目録などが挙げられている。続いて「本郷(駿河台)図書館における視覚障害者サービスのあゆみ」として、(1)サービスの開始、(2)サービスの展開、(3)サービスの衰退の見出しで記述があり、(1)で利用案内、(2)で利用状況について触れている。
2 『情報障害』 近畿点字図書館研究協議会 2号 1984.2
p.2~39 矢野暉雄・田中章治著「特集 黎明期におけるわが国の点字図書館<第1部> 東京市立図書館点字文庫のあゆみを中心にして」
3 『情報障害』 近畿点字図書館研究協議会 3号 1984.6
p.2~54 矢野暉雄・田中章治著「特集 黎明期におけるわが国の点字図書館<第2部> 東京市立図書館点字文庫のあゆみを中心にして」
2は1とほぼ同内容であるが3は「東京市立図書館における点字文庫の意義」を掲載している。
図書館の視覚障害者サービスに関する資料や、雑誌『市立図書館と其事業』等の、東京の当時の図書館サービスに関する資料も調査したが、資料1の“略年表”(p.7)に、「大正5年 盲人図書を置く(加藤梅吉氏寄託のもの)」、「昭和4年 点字の図書目録(点字図書300冊)作成(加藤梅吉氏の寄託した点字図書のもの)」程度の記述しか見当たらなかった。