レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2014/12/19 10:41
- 更新日時
- 2015/09/19 14:27
- 管理番号
- 市川20141001-03
- 質問
-
解決
円の中心に正方形の穴がある銭型の図案をみた。
穴の上下左右にそれぞれ4文字の漢字「五」「疋」「矢」「隹」が
以下のように配置されている。
五
矢 口 隹
疋
「吾」「唯」「足」「知」を表しているように見えるが、何かを示唆しているのか。
- 回答
-
インターネットGoogle検索で「吾 唯 足 知」と検索すると、
複数のサイトから京都・龍安(りょうあん)寺(じ)にある蹲踞(つくばい)であることがわかった。
龍安寺公式HP http://www.ryoanji.jp/smph/guide/grounds.html (201/12/19確認)に
蹲踞の項目があり、「中央の水穴を「口」の字に見立て、周りの四文字と共用し
「吾唯足知」(ワレタダタルコトヲシル)と 読む。」とある。
これは釈迦が説いた「知足のものは、貧しといえども富めり、
不知足のものは、富めりとといえども貧し」という
「知足」(ちそく)の心を図案化した仏教の真髄であり、また茶道の精神にも通じる。
また、徳川光圀の寄進とされる」との解説があった。
『これで読める 茶席の禅語くずし字辞典』(淡交社 2009)p.247に
「知を含む禅語」として「吾唯知足[吾(われ)唯(ただ)足(た)るを知(し)る]」の記載がある。
この蹲踞のカラー写真は『龍安寺の四季』(水野克比古/著 東方出版 2006)
№57及び№58に掲載されており、また『龍安寺 枯山水の海』(井上靖・千宗室/監修 集英社 1989)p.66に
「方丈の北東に東庭を隔てて蔵六(ぞうろく)庵の茶室がある。
その前に水戸光圀から寄進された銭形をした「吾唯知足」と刻まれた珍しい手水鉢がある。」との記載がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 茶道 (791 8版)
- 参考資料
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淡交社編集局 編 , 淡交社. これで読める茶席の禅語くずし字辞典. 淡交社, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010045087-00 , ISBN 9784473035714 -
水野克比古 著 , 水野, 克比古, 1941-. 龍安寺の四季 : 水野克比古写真集. 東方出版, 2006. (京・古社寺巡礼 ; 10)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008084483-00 , ISBN 4885919908 -
西川 孟 , 西川 孟. 竜安寺 : 枯山水の海. 集英社, 1989. (日本の庭園美)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I065252499-00 , ISBN 4085980041
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淡交社編集局 編 , 淡交社. これで読める茶席の禅語くずし字辞典. 淡交社, 2009.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000165059
- 関連ファイル