レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/07/26
- 登録日時
- 2012/08/23 02:01
- 更新日時
- 2012/10/10 13:06
- 管理番号
- 6000008721
- 質問
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解決
お盆の頃に寺院で行われる施餓鬼(せがき)の内容についてわかる資料はあるか。特に臨済宗の寺院についてわかればなおよい。
- 回答
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『うちのお寺は臨済宗』に、臨済宗における施餓鬼の意味合いについての記載があるほか、施餓鬼の形式についてのおおまかな説明は『仏教ハンドブック』『日本民俗宗教辞典』『年中行事大辞典』などにあり。また近畿における施餓鬼の様子を『近畿の歳時習俗』でみることができる。
- 回答プロセス
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18(仏教)の書架を探す。
『うちのお寺は臨済宗』(双葉社)p222に、臨済宗における施餓鬼会(せがきえ)についての記載があり。六道のひとつ餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しんでいる無縁仏を供養する法会で、随時行うが、百カ日法要やお盆の行事の一環として行われることも多くなったとあり。また食事の際に炊き立ての粥飯7粒ほどを供養する生飯(さば)という施食作法(せじきさほう)も餓鬼や無縁仏を供養するものであるとのこと。さらにp224ではお盆の行事の説明として、施餓鬼会についてもふれている。
施餓鬼会の内容についてさらに探すと、『仏教ハンドブック』(三省堂)p121「施餓鬼会」の項に、三界(さんがい、すべての世界)の万霊を供養するために営む法会(ほうえ)で、一般に盂蘭盆会(うらぼんえ)の時期を中心に営まれるとあり。寺院では施餓鬼檀を作り三界万霊や新盆の戒名を書いた位牌を安置し、浄水や食べ物・飲み物を供えて法要を営むとのこと。また同書p199の盂蘭盆会の項には、盂蘭盆会(お盆)は一般に7月もしくは8月の13日~16日までとされるが、地域によって多少の違いがあるとあり。
また38(民俗)の書架を探すと、『民間信仰辞典』(東京堂出版)p166に施餓鬼の由来があるほか、『日本民俗宗教辞典』(東京堂出版)p314には天台宗を例として、寺院で行う施餓鬼の一般的な形式の説明があり。『年中行事大辞典』(吉川弘文館)p394にも、施餓鬼会の実態の記載があり。宗派によって相違もかなりあるが、おおよそ、四隅に青竹を立てた施餓鬼棚を設けて五如来旗などを飾り、多くの供物を並べて餓鬼へ施す形式であるとのこと。供物には仏飯(山盛りの飯や米の上に紙の旗をたくさん刺したもの)や餓鬼へ捧げる水をすくうミソハギの花などがあり、また今日では新仏供養も合わせて行われることも多いと記載あり。
このほか、『近畿の歳時習俗』(明玄書房)の目次には、三重県・兵庫県・奈良県の夏の行事の中に施餓鬼についての項目があるが、これ以外の府県においても、盆の行事の中に施餓鬼についての記載があり。8月15日前後か、地蔵盆を行う8月24日に施餓鬼会が営まれる地域が多いようである。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 9版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 年中行事.祭礼 (386 9版)
- 参考資料
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- 『うちのお寺は臨済宗』(双葉社)
- 『仏教ハンドブック』瀬戸内 寂聴/編(三省堂)
- 『民間信仰辞典』桜井 徳太郎/編(東京堂出版)
- 『日本民俗宗教辞典』佐々木 宏幹/監修(東京堂出版)
- 『年中行事大辞典』加藤 友康/編(吉川弘文館)
- 『近畿の歳時習俗』堀田 吉雄/〔ほか〕共著(明玄書房)
- キーワード
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- 施餓鬼会(セガキエ)
- 仏教
- 盂蘭盆会(ウラボンエ)
- 年中行事
- 民俗
- 宗教
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000110342