レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/11/27
- 登録日時
- 2018/01/26 00:30
- 更新日時
- 2018/01/26 00:30
- 管理番号
- 参調 17-0027
- 質問
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解決
「朝鮮」という地名(国号)の由来について、何かの本で「(中国に対する)「朝(貢)」が「鮮(すくない)」という一種の蔑称だった」という話を目にした。
その説の由来である「漢国視観」という資料があれば読んでみたい。
※ただし、目にした本は分からない、「漢国視観」という名称も定かではない、ということであり、むしろ上記のような「蔑称としての「朝鮮」説」を確認できるような資料を求めているようです。お手数ですが、調査をお願いいたします。
- 回答
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朝鮮半島の歴史関係の資料から調査するが、利用者が求めている内容について書かれた資料は見つからず。
多くの資料で李氏朝鮮時代の地理書『東国輿地勝覧』(1481年成立)に記述があった「朝日が鮮明になるところ」を元に説明している。
また、この時代の学者、李?(りよく)の学説として、「「朝」は東方、「鮮」は鮮卑族の意」として紹介されている。
「朝鮮」「語源」「意味」等のキーワードからインターネットを調査。同様の内容についての記述はあるものの、掲載している資料については不明。
意味として、論語の「巧言令色鮮仁」の鮮(少なし)の意味から来ている。朝鮮の鮮の発音が「鮮やかである」の意である第一声ではなく、「少ない」の意である第三声だからなどの理由が挙げられており、これらからも調査。
思考錯誤「朝(貢ぎ物)鮮(少なし)で朝鮮。本当か?」というサイト(http://pipponan.fc2web.com/shikosakugo_06/ga-4034.htm (2016.11.27確認)
)に、質問内容が掲載されている資料の情報があり。現物を確認。
雑誌『諸君!』2002年4月号(34巻4号)の高木桂蔵「阿片としての中華意識」(p.142-149)の記事の中で、次の記述があり。
「(略)~朝鮮という呼称も侮辱的なのものです。中国皇帝に対して朝貢し、朝鮮王国を授かったとき、『貢ぎ物が少なし』とつけられた。「朝(みつぎもの)鮮(すくなし)」なのです。これをいまも信じて変えないのも面白いことです。」
但し、この文章の元となった文献等については記述はなし。
また、問い合わせのあった「漢国視観」というタイトルでは、図書・論文等から確認できず。「韓国史観」という言葉が使われている資料であれば国立国会図書館サーチでいくつかヒット。但し、利用者が見た資料であるかは不明。
ここまでの調査内容を回答とした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 朝鮮 (221 7版)
- 参考資料
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- 1 諸君 第34巻第4号 文芸春秋 文芸春秋社 1969-2009.6 Z104 p.142-149
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2 朝鮮を知る事典 伊藤/亜人?監修 大村/益夫?監修 平凡社 2000.11 221/C 朝鮮 p.468-484 -
1 東洋史研究 第67巻第3号 東洋史研究会 政經書院 1935- Z304 近世朝鮮時代の古朝鮮認識 p.40-71 -
2 歴史物語朝鮮半島 姜/在彦?著 朝日新聞社 2006.9 221.01/R -
3 朝鮮読本 池田/秀雄?共著 平井/三男?共著 松山房 1929 292/478/54 -
4 朝鮮王朝実録 朴/永圭?[著] 尹/淑姫?訳 新潮社 1997.9 221.05/C -
5 中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史 岡/百合子?著 平凡社 2002.8 221/C -
6 朝鮮史 梶村/秀樹?著 明石書店 2007.6 221.01/C -
7 これならわかる韓国・朝鮮の歴史Q&A 三橋/広夫?著 大月書店 2002.8 221/KO -
8 朝鮮の歴史と文化 姜在彦∥著 明石書店 1993.3 221/C -
9 朝鮮 中村栄孝∥著 吉川弘文館 1971 302.21/NA
- キーワード
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- 朝鮮
- 朝貢
- 語源
- 意味
- 蔑称
- 巧言令色鮮仁(論語「学而」)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000229116