レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20000929
- 登録日時
- 2005/02/02 02:15
- 更新日時
- 2005/11/14 15:35
- 管理番号
- D2000F4778
- 質問
-
解決
元和前後(江戸初期)の鞍師、蒔絵師の花押がのっている資料。
- 回答
-
「鞍師」という言葉は各種辞典類にない。「鞍の製作者」として調査した。
鞍の製作者
近世の鞍の製作者に係る花押が収録されているものに、以下の(2)-(5)がある。いずれも写本で当館古典籍資料室所蔵資料。
なお(1)によると、明治になって「洋鞍」が入ると急速に廃れた「倭鞍」の製作は、近世には「伊勢一門」が中心になって行われていたようである。
(1) 『日本馬具大鑑 第4巻 近世』 日本中央競馬会 1991 <YP13-656>
(2) 『鞍鐙工記』 写本 伊勢貞丈著 1冊 <103-46>
「鞍作者判鑑」として、伊勢一門の花押あり
(3) 『鞍鐙工記』 写本 伊勢貞丈 1冊 <195-125>
同上
(4) 『鞍鐙新書』 写本 栗原信充著 5冊 <198-12>
第3冊のうち、「鞍鐙工花押」
(5) 『鞍鐙要決』 写本 1冊 <213-348>
蒔絵師の花押
蒔絵師の花押については、これを主題としてまとめられたものは見当たらなかった。(6)、(7)によれば、「古来、日本の工人たちは、その作品に作者名を入れることはまれだった」ようであるが、「江戸中期から後期にかけては作者銘の記された作品はかなりある」とのこと。漆工芸作家の研究は未だ遅れている分野ということで、「江戸初期」の蒔絵師の花押をまとまった形で収録した資料は見当らなかったが、(8)-(10)には江戸時代の蒔絵師の花押がみられるので、参考までに紹介。
(6) 『近世の蒔絵』 灰野昭郎著 中央公論社 1994 <KB281-E11>
(7) 灰野昭郎 「幸阿弥」
(『日本美術史の巨匠たち 上』 京都国立博物館 1982 <K81-83>)所収
(8) 『落款花押大辞典』 淡交社 1982 <GB43-208>
(9) 『近世御用蒔絵師の系譜』 徳島市徳島博物館 1996 <KB16-G206>
(10) 『蒔絵師春正』 名古屋市博物館 1992 <KB16-E837>
(11) 高尾曜 「近世蒔絵師銘鑑-印籠蒔絵師を中心に」
(『古美術緑青』 no.17-20(1995-96)リア書房 <Z11-2205>)
< >内は当館請求記号
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『落款花押大辞典 (上下)』にはない。
- NDC
-
- 漆工芸 (752 9版)
- 参考資料
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- 日本馬具大鑑 第4巻 近世 日本中央競馬会 1991 <YP13-656>
- 近世の蒔絵 灰野昭郎著 中央公論社 1994 <KB281-E11>
- 日本美術史の巨匠たち 上 京都国立博物館 1982 <K81-83>
- 落款花押大辞典 淡交社 1982 <GB43-208>
- 近世御用蒔絵師の系譜 徳島市徳島博物館 1996 <KB16-G206>
- 古美術緑青 no.17-20(1995-96) リア書房 <Z11-2205> (高尾曜 「近世蒔絵師銘鑑-印籠蒔絵師を中心に」)
- キーワード
-
- 鞍
- 蒔絵
- 花押
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014169