レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年06月02日
- 登録日時
- 2013/07/25 00:30
- 更新日時
- 2014/04/06 14:13
- 管理番号
- 茨歴閲2013023
- 質問
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解決
江戸時代初期に徳川光圀は船を造り蝦夷地渡航を行ったが,当時水戸藩にとって蝦夷地はどのような存在であったのかがわかる資料を教えてほしい。
- 回答
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徳川光圀が蝦夷地渡航を行った動機と目的は明確にされておらず,『水戸市史 中巻(1)』のp639「快風丸の蝦夷地探検」によると動機と伝わる逸話が書かれています。
そのほか,後世に考えられた諸説がいくつかあり,『那珂湊市史 近世』(p122~)によると,①北辺防備説/②物産交易説/③蝦夷の叛乱調査説/④地理的探検説が挙げられています。これらの説から,蝦夷地が水戸藩にとってどのような位置づけであったのかがうかがえます。
また,より詳しくお調べになりたい場合は,以下の資料をご覧ください。
・『北方領土探検史の新研究 -その水戸藩との関はり-』
・『水戸と蝦夷 第5回郷土歴史講座会講演録』
- 回答プロセス
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(1) 当館DBを検索 (検索語:「水戸」and「蝦夷」)
『水戸市史 中巻(1)』
→「快風丸の蝦夷地探検」(p639~)によると,光圀が那珂湊の御殿で海上を眺めていたところ,遠洋から飛んでくる白鳥や流れてくる雲を見て,東海の極に国があることを確信したため,蝦夷地探検を思いついたという。しかしながら,あくまで逸話。
『水戸と蝦夷 第5回郷土歴史講座会講演録』
→講演録であるため,話口調で書かれている。
光圀関連の図書を確認。
『徳川光圀』(鈴木暎一著 日本歴史学会編 2006) <当館請求記号 K289/198> ※これは紹介せず。
→p172-173より『水戸市史 中巻(1)』に書かれている逸話を紹介した上で,「那珂湊の地の利を生かし,交易と流通の両面から苦しい藩の財政に利益をもたらそうとする目論見があったのではないか」との推測あり。
(2) 茨城県立図書館OPACを検索 (検索語:「水戸」and「蝦夷」,「水戸藩」and「蝦夷」)
『北方領土探検史の新研究 -その水戸藩との関はり-』
→近世の水戸藩における北方探検史について詳しく書かれている。
(3) 国立国会図書館サーチを検索 (検索語:「水戸」and「蝦夷」)
『那珂湊市史 近世』
→蝦夷地渡航の動機・目的として,後世に考えられた4つの諸説を「快風丸の蝦夷地探検」(p122~)の中で挙げている。※(1),(2)の検索では出てこなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 8版)
- 北海道地方 (211 8版)
- 参考資料
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ひたちなか市史編さん委員会 編. 那珂湊市史 近世. ひたちなか市教育委員会, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009519448-00 (当館請求記号 K219/18/2) -
水戸市史編さん委員会 編. 水戸市史 中巻 第1. 水戸市, 1968.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001110271-00 (当館請求記号 K211/1/2-1) -
吉澤義一 著. 北方領土探検史の新研究 : その水戸藩との関はり. 水戸史学会, 2003. (水戸史学選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004195617-00 , ISBN 4764602636 (当館請求記号 K210.5/76) -
仲田 昭一 述 , 常陽明治記念会 編. 水戸と蝦夷. 大洗町教育委員会, 1990. (郷土歴史講演会講演録 ; 第5回)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I016010717-00 (当館請求記号 K211/74)
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ひたちなか市史編さん委員会 編. 那珂湊市史 近世. ひたちなか市教育委員会, 2008.
- キーワード
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- 水戸藩
- 蝦夷
- 徳川光圀(水戸光圀)(義公)
- 北海道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000134250