レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月18日
- 登録日時
- 2018/09/19 12:38
- 更新日時
- 2019/09/12 17:45
- 管理番号
- 島根郷2018-09-003
- 質問
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解決
松江市にある華蔵寺について、江戸時代以前のことを知りたい。
- 回答
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当館所蔵資料より、下記の資料を紹介し回答。
資料1:p49「龍翔山 華蔵寺」。寺伝によれば、延暦22年(804)智元上人を開山とする。天台宗であったが、勅願により亀山法王の病気平癒を祈念、杉井の霊水と秘薬を献上したところ法王の病気が平癒し、これにより寺は臨済宗に改宗し南禅寺派に属した。戦国時代は尼子・毛利の戦火に遭い、諸坊・伽藍などが焼失し、寺も衰退した。慶長6年(1601)に堀尾氏が松江に入府すると、枕木山の位置が松江城の鬼門に当たるため鬼門封じとして手厚く保護し祈願所とした。松平氏も祈願所として、初代藩主直政により仁王門や薬師堂などが建立された。薬師堂に安置されている薬師如来は国の重要文化財に指定されている(戦前までは国宝指定)。
資料2:p84-91に華蔵寺・薬師堂・仁王門や縁起について記述あり。縁起では開山の智元上人を美田源太廣綱とし、源太が智元上人として開山するまでのこと、天皇の病気平癒の霊水をめぐって華蔵寺と仏道寺・澄水寺が争い死者が出たため、天皇から〝天台宗は闘争を好む僧なのでこれよりは禅宗にするべし”として東福寺の佛智禅師を華蔵寺の住職とした、などの逸話を載せる。
資料3:p888-893「華蔵寺」の項目あり。この資料では、開山を天長2年(825)、臨済宗への改宗を明暦3年としている。
資料4:華蔵寺を紹介したパンフレット。縁起には、開山は延暦年間とし、亀山法皇のときに禅宗に改宗する、としている。中興開山は濟遍禅師で、皇室や国主から帰依・外護を受けて末寺数十ヶ寺の興隆を極めたが、戦国時代に尼子・毛利の戦火に遭い諸堂をことごとく焼失し寺運も衰退したとする。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 8版)
- 中国地方 (217 8版)
- 参考資料
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【資料1】白神尚彦 編 , 白神尚彦. 島根の寺院 第2巻. 有賀書房, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069512524-00 (当館請求記号 091.8/111/2※貸出禁止資料) -
【資料2】黒沢長尚 編 , 黒沢長尚. 雲陽誌 複刻版. 歴史図書社, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069512348-00 (当館請求記号 092.9/246※貸出禁止資料) -
【資料3】奥原福市/編 , 奥原‖福市. 八束郡誌 本篇. 名著出版, 1973.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I063635936-00 (当館請求記号 卿貸出217.3/メ73/1) -
【資料4】枕木山華蔵寺 [パンフレット] : 臨済宗南禅寺派 : 歴史と伝統の霊山、歴代松江藩主松平家の祈願所. 枕木山華蔵寺, 2016.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I070636999-00 (当館請求記号 091.8/385※貸出禁止資料)
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【資料1】白神尚彦 編 , 白神尚彦. 島根の寺院 第2巻. 有賀書房, 1991.
- キーワード
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- 華蔵寺
- 枕木山
- 松江市枕木町
- 島根県
- 天台宗
- 臨済宗
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000242667