レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年08月11日
- 登録日時
- 2017/09/15 17:57
- 更新日時
- 2018/01/31 14:38
- 管理番号
- 埼熊-2017-078
- 質問
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未解決
儒学の体系にある朱子学について、江戸時代五代将軍徳川綱吉が諸大名に大いに奨励したと言われているが、朱子学そのものは「人、徳のある学問」であり、商業・商人を軽蔑したとされている。そういった事が書かれている資料はあるか知りたい。
- 回答
-
朱子学について「商業・商人を軽蔑した」と直接書かれた記述は確認できなかった。
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈朱子学〉で検索する。
『江戸の朱子学』(土田健次郎著 筑摩書房 2014)
p72-78 「朱子学と徳川政権」の項に「朱子学自体は特に新しい道徳を発明したわけではなく」とあり。
p216 「たとえば江戸時代を通じて高まった商業の発展の中で、利潤を追求する商行為を認めることは、朱子学の文脈ではしづらかったはずである。」とあり。
『朱子学と反朱子学』(山下龍二著 研文社 1991)
p160 「朱子学の「格套」からの脱出の思想は、明代では王陽明に始まり(後略)」とあり。
p177 「陽明は「古は四民業を異にして道を同じくす。その心を尽すは一なり。士は以て治を修め、農は以て養に具へ、工は以て器を利くし、商は以て貨を通ず。各々その資の近き所、力の及ぶ所のものにつきてこれを業とし、以てその心を尽さんことを求む。その帰する所、生人の道に益あるに在ることをもとむるは則ち一のみ」といい(後略)」とあり。
『儒者 日本人を啓蒙した知の巨人たち』(疋田啓佑著 致知出版社 2013)
p29 「朱子学が官学となったのは五代将軍綱吉のころです(中略)朱子学は人間の特性や能力に応じた身分を容認する「分業論」という考えがあります。士農工商の身分制度は、この考え方が発展したものです。」とあり。
2 日本思想史から調査する。
該当する記述のある資料はなし。
3 自館目録を〈徳川綱吉〉〈林羅山〉〈士農工商〉で検索する。
該当する記述のある資料はなし。
4 《CiNii》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈朱子 & 江戸〉〈江戸 & 商人〉で検索する。
該当する記述のある資料はなし。
〈その他調査済み資料〉
『江戸幕府と儒学者 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い』(揖斐高著 中央公論新社 2014)
『朱子学大系 第1巻 朱子学入門』(阿部吉雄[ほか]編 明徳出版社 1974)
『近世日本社会と儒教』(黒住真著 ぺりかん社 2003)
『江戸儒教と近代の「知」』(中村春作著 ぺりかん社 2002)
『朱子学』(木下鉄矢著 講談社 2013)
『朱子学の基本用語 北渓字義訳解』(陳淳著 佐藤仁訳・解題 研文出版 1996)
『朱子学の時代 治者の〈主体〉形成の思想』(田中秀樹著 京都大学学術出版会 2015)
『徳川綱吉』(塚本学著 吉川弘文館 1998)
『形成される教養 十七世紀日本の〈知〉』(鈴木健一編 勉誠出版 2015)
ウェブサイト・データベースの最終更新日は2016年8月10日。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 朱子学
- 思想
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000221959