レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年05月15日
- 登録日時
- 2012/01/15 17:30
- 更新日時
- 2015/07/31 16:22
- 管理番号
- 長野市立長野-11-001
- 質問
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解決
長野市篠ノ井横田で行われている行事「虫送り」についての資料がみたい。
- 回答
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以下参考資料に虫送りについて掲載されていました。
横田については、『篠ノ井の年中行事』に東横田の虫送りについての記載がありました。
他の資料には『写真記録・信州に生きる 下 祭りと伝統行事編』に写真と解説、日にちが掲載されている程度でした。
- 回答プロセス
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質問者より、田植えの時期に行うものだということを聞き、伝統行事の資料にあるのではないかと考え、郷土資料の380の棚をブラウジングする。
『信濃風土記』p186に「虫送り」の項あり。
「(略)これらのイネの害虫を、人間の力以上のものの力を借りて追い払おうとするのが虫送りです。」とある。
また、「中部地方より西では、この虫送りのことを「実盛(さねもり)送り」と呼んでいるところが多く見られます。」ともある。
諏訪湖のほとりの諏訪市湖南、中洲などの地区、下伊那郡根羽村などの虫送りについて書かれている。
『篠ノ井の年中行事』p84-86に「虫送り」の項あり。
東横田と犬石の虫送りについての記載があった。(犬石は長野市篠ノ井有旅地区)
『きょうの出来事信州歳時記366日』p152
7月31日の項に「長野市 犬石の虫おくり」とある。
『犬石の民俗』p77-79
年中行事に虫送りの項あり。
虫送りの行事の内容について細かく記してある。
『信州の年中行事』p176-178
虫送りの項あり。
上高井、更埴、諏訪、須坂、木曽、飯山などの虫送りについて書かれている。
p307 特色のある年中行事
六月二十四日 夏祭り(茅野市豊平) 火とぼし祭りともいい、また虫送り行事をする。
八月末 虫送り(下伊那根羽村、諏訪市湖南) 夜、タイマツをたいて虫送りをする。また所により、朝早く子供たちが虫送りの呪文を書いた旗を持って太鼓をたたいて青田を回る。
『写真記録・信州に生きる 下 祭りと伝統行事編』p90-92
虫送りの項あり。
「七月の初め諏訪市の農村部、湖南・中洲・豊田地区では農作物を害虫から守るために虫送りが行われる。この虫送りは子供の行事で、子供たちがかねや太鼓をたたいて「イネムシ オオクリナ」などと虫送りの歌を歌いながらムラザカイを回り、何か所かに呪文を書いた旗を立てて田のあぜ道の虫を払って歩く。
虫送りの方法としては、ほかに火を焚く、境界に祈禱札を立てる、神社で祈禱するなどという所もある。」とある。
諏訪市、諏訪市高部、長野市篠ノ井東横田、塩尻市床尾の虫送りの様子の写真が掲載されている。
長野市篠ノ井東横田については
「タイマツを持ってムラの農道を一巡し、千曲川に流して虫を送る (昭和56年)」とある。
p212
長野県のおもな祭り・年中行事と民俗芸能の年表には
7月初旬 稲虫祭り 諏訪市湖南・中洲・豊田地方
8月4日 虫送り 長野市篠ノ井東横田
8月22日 虫送り 塩尻市床尾 鳴雷神社
とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 参考資料
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- 『篠ノ井の年中行事』春日 学/著 篠ノ井公民館ふるさと学級 1982 <N386シ> (p84-86)
- 『信濃風土記』NHK長野放送局/編 和広 1979.08 <N382シ> (p186)
- 『きょうの出来事信州歳時記366日』信州世相文化研究会/編 郷土出版社 1999.02 <N386キ> (p152)
- 『犬石の民俗(長野市民俗文化財調査報告書 1)』長野市立博物館/編 長野市立博物館 1995.02 <N382イ> (p77-79)
- 『信州の年中行事』斉藤 武雄/著 信濃毎日新聞社 1981.08 <N386サ> (p176-178、307)
- 『写真記録・信州に生きる 下 祭りと伝統行事編』長野県民俗の会/編 郷土出版社 1993.04 <N380シ2> (p90-92、212)
- キーワード
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- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000099981