レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2001年03月
- 登録日時
- 2005/12/07 18:45
- 更新日時
- 2006/02/05 10:13
- 管理番号
- 県立長野-01-013
- 質問
-
解決
〝戌の日〟にこたつを作るのは何故か知りたい
- 回答
-
こたつを作るのによいとされている日や理由は資料によって異なる。こたつの使用についての長野県内での聞き取り調査の結果については2~5の資料に収録されており、〝戌の日〟もあるが、それ以外の日がよいとされている事例も紹介されている。資料名と内容は次のとおりである。
1 『日本民俗大辞典 上』(福田アジオ[等]編 吉川弘文館 平11)[380.3-30-1]p629; 江戸時代に「炬燵を明ける」といって、その年はじめて火を入れるのは10月の中の亥の日で、掘り炬燵をあけて火を入れ、火伏せの神である愛宕神をまつる風習があった。この日にすると火災を防ぐという。
2 『長野県史 民俗編 第1巻(1) 東信地方 日々の生活』 (長野県編 長野県史刊行会 昭61)[N209-11-3-1-1]中、第3編 住居 第5章 家具・調度 p395
・10月上旬の戌の日にこたつをつくる。申の日は忌む。【丸子町坂井】
3 『同上 第2巻(1) 南信地方 日々の生活』(同上 昭63)[N209-11-3-2-1]p562
・こたつは11月下旬の戌の日に入れ、4月下旬の戌の日にあげる【天龍村坂部】
・こたつは、午の日に出し入れするのを嫌った。炭がまの口を午の日に開けることも嫌った。もしこの日に開けると、炭がいくら黒くてもまた火がおきて燃え出してくるといわれている。【同上】
・こたつを作る日は未の日がよいといわれた。この日に作ると火事にならないといわれる。【阿南町新野】
4 『同上 第3巻(1) 中信地方 日々の生活』(同上 平元)[N209-11-3-3-1]p490
・こたつを入れるのに良いとされているのは、壬・癸の日である。逆に良くない日とされているのは、丙や丁の日である。【松本市飯田,木曽福島町伊谷】
5 『同上 第4巻(1) 北信地方 日々の生活』(同上 昭59)[N209-11-3-4-1]p464
・戌の日にこたつを作るなといわれた。戌は元気が良いためだという。【長野市栗田】
・10月上旬の戌の日に作った。犬はずくがあってこたつなどに入っていないからだという【三水村】
- 回答プロセス
-
①生活習慣についての質問であるため、[NDC 380 風俗習慣・民俗学]の事典をあたることにし、1の資料を検索。「こたつ」の項に答の記述あり。
②①では〝亥の日〟とあったため、別の資料をあたることにする。質問者が長野市居住者であったため、長野県内のこたつを作る際の習慣がわかる資料をあたるため、県内の民俗的な事例について網羅的に所収されている『長野県史 民俗編』(前掲)の目次を見る。各巻 第3編 第5章 第2節が〝照明具・暖房具・寝具〟とあったため、本文に至る。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 参考資料
- キーワード
-
- こたつ
- 炬燵
- 戌の日
- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『なんでもきいてみよう』(県立長野図書館 平成13 第33集)収録レファレンス
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000025464