レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年03月10日
- 登録日時
- 2018/03/06 10:43
- 更新日時
- 2018/05/24 10:50
- 管理番号
- 埼熊-2017-119
- 質問
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解決
法華経の七つのたとえにある「髪の中の宝石」というものについて知りたい。
- 回答
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法華七喩のひとつで、髻珠喩(けいしゅゆ)または髻中明珠(けいちゅうみょうしゅ)のことである。以下の資料を紹介した。
1 『仏教比喩例話辞典』(森章司編 東京堂出版 1987)
p494「(6)髻珠喩(安楽行品)では、法華経について、それは、如来の第一の説であり、諸経の中で最も甚深であり、二乗も必ずや成仏できることを転輪聖王が髻(もとどり)にかくれて見えない珠を功臣に与えるのに喩えている。(後略)」
2 『法華経入門 角川選書 399』(則武海源著 角川学芸出版 2006)の「安楽行品第十四」の章
p140-145「この章の名前となっている安楽行とは、安楽な状態で法を広める行いという意味で、これは「身・口・意・誓願」という四つの安楽行があると示されています。(中略)安楽行品では、末法の悪世のなかでこの四つの安楽行を実践している者は、諸天をはじめ全ての人々から賞賛され、法華経が諸経典のなかの最勝であることが示されています。
そして、法華経が諸経典の中でも最勝であることを文殊菩薩へ告げるかたちで髻中(けちゅう)明珠のたとえ話が述べられているのです。」
- 回答プロセス
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1 《Google》(https://www.google.co.jp/ Google)を〈法華経 & たとえ〉で検索する。
《ウィキペディア》「法華七喩」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E8%8F%AF%E4%B8%83%E5%96%A9 ウィキメディア財団)
2 法華七喩について調べる。
(1)自館目録を〈法華七喩〉で検索するがヒットせず。
(2)参考図書を確認する。
『総合仏教大辞典 下 す~わ』(総合仏教大辞典編集委員会編集 京都 法蔵館 1987)
p1293b「とくに譬喩品の火宅喩・信解品の窮子喩・薬草喩品の薬草喩・化城喩品の化城喩・五百弟子受記品の衣珠喩・安楽行品の髻珠喩・如来寿量品の医子喩は、古来法華七喩と称される。」とあり。
(3)法華経の資料を確認する。
『法華経 梵漢和対照・現代語訳 下』(植木雅俊訳 岩波書店 2008)
p129-179「第13章:安楽の住所(安楽行品第十四)」のうち、p151-157に髻の中の宝石に関する部分あり。
『広説佛教語大辞典 上巻(あ~さ)』(中村元著 東京書籍 2001)
p378「けちゅうのほうじゅ【髻中の宝珠】 髻中明珠に同じ。→髻珠喩けいしゅゆ」
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年3月10日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180)
- 参考資料
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- 『総合仏教大辞典 下 す~わ』(総合仏教大辞典編集委員会編集 京都 法蔵館 1987)
- 『仏教比喩例話辞典』(森章司編 東京堂出版 1987) , ISBN 4490102275
- 『法華経入門 角川選書 399』(則武海源著 角川学芸出版 2006) , ISBN 4047033995
- 『法華経 梵漢和対照・現代語訳 下』(植木雅俊訳 岩波書店 2008) , ISBN 9784000247634
- 『広説佛教語大辞典 上巻(あ~さ)』(中村元著 東京書籍 2001) , ISBN 4487731798
- キーワード
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- 法華七喩
- 法華経
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000232138