レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/03/14
- 登録日時
- 2017/11/17 00:30
- 更新日時
- 2017/11/30 17:12
- 管理番号
- HC-17031425
- 質問
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解決
想像上の生き物である「麒麟(きりん)」について調べたい。
- 回答
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『日本大百科全書 7』(1994年 小学館)P.163「麒麟(きりん)」の項に、「中国古代の想像上の動物。単に麟ともよぶ。またとくに雄を麒、雌を麟というともいわれ、竜、鳳凰(ほうおう)、亀(かめ)とともに四霊獣の一つとされた。初めは鹿に似た一角獣であったが、しだいに神秘的な要素を加えて複雑怪奇な姿になった。牛の尾、馬の蹄(ひずめ)、五色で彩られた体をもつ麒麟は、翼を広げてよく飛び、武器であるその角(つの)は、先端が肉で覆われているため、相手を傷つけることがないとされた。そのため「麟は仁獣(じんじゅう)なり、王者あれば即(すなわ)ち至る」といわれ、聖天子の治世に限って出現する瑞獣(ずいじゅう)とされた。この麒麟像の形成には、西方世界からの影響があったとされるが、普通キリンとよばれているアフリカ生息のジラフとは、直接の関係はない。」と記載されています。
『中国神話・伝説大事典』(1999年 大修館書店)p.146「きりん【麒麟】」の項にも同様の記載があり、絵も掲載されています。
『世界の怪物・神獣事典』(2004年 原書房)p.264「チー・リン(麒麟)」の項にも同様の記載があるほか、「背中は赤、黄、青、白、黒という聖なる五色で、腹部は茶か黄のいずれかである。声は旋律的で美しく、とても穏やかで繊細なので、動物であれ植物であれ命あるものは決して食べない。(中略)この獣はまた、万物組成の5元素と言われる土、火、金、水、木の精髄でもある。心優しい生物で、平和と繁栄の時代のもたらし手であり象徴である。」と記載があり、絵の掲載もあります。
『図説世界シンボル事典』(2000年 八坂書房)p.33-34「一角獣」の項には、「中国の一角獣、すなわち麒麟はヨーロッパのそれとあまり似ていない。麒麟はシカに似た動物で、全身を麟で覆われ、雄牛の尾をもち、額には毛の生えた角が伸びている。そしてシンボルとしては慈悲、幸運、恵み、特に子宝(男児)に恵まれることをあらわす。」と記載されています。
「東京都公文書館」のホームページ(http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0717nihonbashi.htm 最終アクセス日:2017.11.16)には、日本橋にある麒麟像について、写真付きで紹介されています。また、『キリンビールの歴史 新戦後編』(1999年 キリンビール)p.15には、「キリンを発案したのは三菱社管事の荘田平五郎で、「西洋のビールには狼や猫など動物が用いられているので、東洋の霊獣麒麟を商標にしよう」と主張したといわれる。」と記載があり、「キリンビール」の銘柄に「麒麟」が採用された経緯を確認することができます。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 神話.神話学 (164 8版)
- 参考資料
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- B11403425 日本大百科全書 7 小学館 1994 031 4-09-526107-2
- B11574800 中国神話・伝説大事典 袁珂/著 大修館書店 1999.4 164.22 4-469-01261-0
- B10431220 世界の怪物・神獣事典 キャロル・ローズ/著 原書房 2004.12 388.033 4-562-03850-0
- B10052204 図説世界シンボル事典 ハンス・ビーダーマン/著 八坂書房 2000.11 389.033 4-89694-463-1
- B11633509 キリンビールの歴史 新戦後編 キリンビール株式会社広報部社史編纂室/編集 キリンビール 1999.4 588.54
- 東京都公文書館「日本橋の麒麟(きりん)像-当館ホームページのロゴ画像について」 http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0717nihonbashi.htm 2017.11.16
- キーワード
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- 麒麟
- 一角獣
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 参考
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000225096