レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年03月01日
- 登録日時
- 2011/03/06 15:53
- 更新日時
- 2012/03/16 15:45
- 管理番号
- 相大-H22-0084
- 質問
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解決
中国、周の時代に「指南車」(シナンシャ)というものがあったらしい。
その仕組みに歯車が使われていたか知りたい。
- 回答
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周の時代にあったというのは伝説・逸話で、漢または晋以降に作られたもので歯車が使われていた。
下記の資料を提供した。
『和漢三才図会上巻』
『廣文庫第九冊』
『アジア歴史事典4』
『日本国語大辞典6巻』
『世界大百科事典12』
『なぜ磁石は北をさす』
- 回答プロセス
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①歯車の歴史を調べる。
自館OPACでキーワード“ハグルマ”で検索する。
『歯車のハタラキ』 技能士の友/著 大河出版 1987 【s05612163 531】
歯車の歴史の記載はあるが、指南車についての記述なし。
②『和漢三才図会』に記載ありと利用者からの情報より、下記資料を調査する。
『和漢三才図会 上巻』 寺島良安/著 東京美術 1986 【s05730148 R031】
p406 「指南車」の項あり。図あり。漢文のため詳細わからず。
③“指南車”の言葉から、参考資料の書架を直接探す。
『日本国語大辞典 6巻 第2版 さこう-しゅんひ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編
小学館 1984 【s17783200 R813.1】
p914 「指南車」の項あり。図(『和漢三才図会』より)あり。
「磁針を車上に装置しただけの車とも。」
「「黄帝」「周公」が使ったともいわれる」とあり。
『世界大百科事典 12 改訂新版 シ-シヤ』 平凡社 2007 【s25296583 R031】
p463 「指南車」の項あり。
黄帝が造ったというのは伝説で、晋以降の皇帝の行列で使用され、
歯車仕掛けで人形が動くとの記載あり。
『廣文庫 第9冊 覆刻版 さ-し』 物集高見・物集高量/著 名著普及会 1986 【s05736210 R031】
p502-503 「指南車」の項あり。図あり。
漢文のため詳細わからず。
『アジア歴史事典 第4巻 サ-ショ 新装復刊』 平凡社 1984 【s06542658 R220】
p189 「指南車」の項あり。模型の写真あり。
漢以降の各時代の技術者が作成、それ以前の説は伝説。
歯車を使用、磁石は使われていないとの記載あり。
④インターネットGoogleでキーワード“指南車”“指南車 磁石”で検索する。
個人のブログに、引用されている資料名『なぜ磁石は北をさす』の記載あり。
⑤上記の資料を自館OPACで検索する。
『なぜ磁石は北をさす』 力武常次/著 日本専門図書出版 2002 【s20839387 450.12】
p17-18 「指南車」の項あり。
「十七世紀後半、中国を訪問したキリスト教伝道団によって、
中国には指南車があり、それは磁石の作用によって動く、ということが西欧に伝えられた。
しかし、指南車に磁石がとりつけられていたという 直接の証拠は、見当たらないようである。」
「現在では指南車は磁石に無関係であるという考えのほうが有力である。
北京大学の李書華教授によれば、指南車は歯車と滑車を組み合わせてつくった機械だという。」
との記述あり。
注:【 】内は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
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『和漢三才図会』に記載がある。
- NDC
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- アジア史.東洋史 (220 9版)
- 参考資料
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- 『歯車のハタラキ』 技能士の友/著 大河出版 1987
- 『和漢三才図会 上巻』 寺島良安/著 東京美術 1986
- 『日本国語大辞典 6巻 第2版 さこう-しゅんひ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 1984
- 『なぜ磁石は北をさす』 力武常次/著 日本専門図書出版 2002
- 『世界大百科事典 12 改訂新版 シ-シヤ』平凡社 2007
- 『廣文庫 第9冊 覆刻版 さ-し』 物集高見・物集高量/著 名著普及会 1986
- 『アジア歴史事典 第4巻 サ-ショ 新装復刊』平凡社 1984
- キーワード
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- 指南車
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000081207