レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年08月16日
- 登録日時
- 2018/12/16 16:18
- 更新日時
- 2018/12/18 10:51
- 管理番号
- 千県中参考-2018-08
- 質問
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未解決
公共図書館におけるライトノベルの扱いや選書基準、所蔵状況がわかる図書や論文などを探しています。
- 回答
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ライトノベルがヤングアダルト(ティーンズ、青少年)サービスで取り扱われていることが多いため、関連資料を調査しました。
【資料1】から【資料3】はヤングアダルトサービスに関する基本的な調査で、ライトノベルに相当する少女小説やティーンズ文庫等のカテゴリに言及があります。
【資料4】から【資料7】は、公共図書館でのライトノベルの所蔵状況の調査や選書の難しさに関して記述のあった資料です。ライトノベルの選書基準のような資料は見つけることができませんでした。
【資料1】『公立図書館におけるヤング・アダルト(青少年)サービス実態調査報告』(日本図書館協会 1993)
ヤングアダルトサービス実施館の「蔵書構成」として、別置している資料を質問しています(p14-15)。
「ライトノベル」というキーワードは見られませんが、「富士見ファンタジア文庫やハヤカワ(FT)などのファンタジー群」「コバルト文庫やX文庫などの<少女>小説群」等のカテゴリが見られます(別置所蔵の有無のみを質問しています)。
この1993年調査と比較するために2014年に実施された調査の報告が、次の2つです。
【資料2】平田満子[ほか]「YAサービスの現状 : 全国調査報告(1)」(『図書館界』67 巻 2 号 2015)p86-95(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.67.2_86)
【資料3】井上靖代[ほか]「YAサービスの現状:全国調査報告(2)」(『図書館界』68 巻 2 号 2016)p 134-140(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.68.2_134)
調査報告(1)は都道府県立、(2)は市区町村立、それぞれに資料の所蔵傾向について記述がありますが、「YA向け資料ジャンル」として扱っているかどうかを質問しているだけです。2014年調査では「ティーンズ文庫本」等の呼び方をされている資料について、「ライトノベルともよばれることもある」と記載があります(【資料2】p88)。また、調査の選択肢においてティーンズ文庫本と併記されたBL(ボーイズ・ラブ)、TL(ティーンズ・ラブ)について、これらのジャンルは入れていない図書館も複数あったと書かれています。
【資料4】加藤ひろの「中小公共図書館における蔵書構成と利用の実態について(<特集>第50回研究大会グループ研究発表)」(『図書館界』61巻2号 2009)p130-145(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.61.2_130)
開架の状況や利用実態から蔵書構成について検討する調査。
p137にライトノベルの選書についての意見があります。
【資料5】安形輝「2011年日本図書館情報学会春季研究集会の概要」(『日本図書館情報学会誌』57巻2号2011)p 63-69(WEBで閲覧可 https://ci.nii.ac.jp/naid/110008711155)
p67に「公共図書館のヤングアダルトコーナーの蔵書構成:2007年出版物を対象とした調査」について概要の記載があります。発表要綱掲載の抄録に基づいたものとあり、発表要綱は国会図書館に所蔵があるようです。
『日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱』(日本図書館情報学会)(http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000163145-00)
【資料6】『ライトノベル研究序説』(一柳廣孝編著 青弓社 2009)
p187-189「<ヤングアダルト>書籍としてのライトノベル」
JLA(日本図書館協会)の実態調査について言及。
2009年時点での横浜市立中央図書館の蔵書検索システム抽出でのライトノベル冊数と、倉吉市立図書館のヤングアダルトサービスにも言及があります。
【資料7】木村晋治「ヤングアダルトコーナーの収集と配架をめぐって (特集:選書が変われば、図書館が変わる)」(『みんなの図書館』通号 350号 2006.6)p35-46
「YAコーナーに何を置くか」の9門見出しとして「ライトノベル」があります(p43)。選書の難しさと「厳選とならざるを得ない」ことに触れられています。
また、「どうやって本を選ぶか」の中では、ライトノベルに詳しくない図書館員に選書の際に「『ライトノベル完全読本』『このライトノベルがすごい』などのライトノベル本」が役立つとしています(p45)。
(インターネット最終アクセス:2018年9月27日)
- 回答プロセス
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NDLサーチやCiNiiArticlesで、「ライトノベル 収集」「ライトノベル 図書館」「ライトノベル 所蔵」「ヤングアダルト 収集」といったキーワードで検索し、関連論文を探しました。
なお、学校図書館・大学図書館については所蔵状況の調査が見つかりました。
例えば次のような資料があります(ほかにも該当しそうな論文あり)。
【資料8】佐藤翔[ほか]「大学、短期大学、高等専門学校図書館等におけるライトノベルの所蔵状況」(『同志社図書館情報学』24号2014.3)p40-63 (WEBで閲覧可 http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014131 )
【資料9】高橋恵美子「多様化する『よむ』 : 高校生,大学生の声から」(『図書館界』53 巻 2 号 2001)p80-83(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.53.2_80 )
p81に「資料論の必要性」として、「読書が変わってきたこと、「よむ」ことの多様化に応じて、学校図書館における資料に対する考え方も、変わらなければならない」としています。
著者が「学校図書館で重要な順に」、マンガを筆頭に並べた中で「ティーンズ文庫」は3番目に挙げられています。
また、マンガについては、収集方針や取り扱いについて論じた論文がありました。
【資料10】川瀬綾子「図書館界の言説を焦点とした公立図書館における収集方針とマンガの取扱に関する考察 都道府県立・政令指定都市立図書館を中心に」(『情報学』9巻2号 2012)p1-15 (WEBで閲覧可 http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_111S0000001-0902-1)
次の資料は確認したが回答に結びつきませんでした。
稲場雅子 「図書館×ライトノベル : 文庫編」(『みんなの図書館』 通号473号 2016.9 )p52-57→作品紹介。
- 事前調査事項
- NDC
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- 情報資源の収集・組織化・保存 (014 9版)
- 漫画.挿絵.児童画 (726 9版)
- 参考資料
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【資料1】『公立図書館におけるヤング・アダルト(青少年)サービス実態調査報告』(日本図書館協会 1993)(9102481152)<015/KO79>
※書誌情報の後に当館資料番号()と当館請求記号<>を記した。以下同じ。 - 【資料2】平田満子[ほか]「YAサービスの現状 : 全国調査報告(1)」(『図書館界』67 巻 2 号 2015)p86-95(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.67.2_86)
- 【資料3】井上靖代[ほか]「YAサービスの現状:全国調査報告(2)」(『図書館界』68 巻 2 号 2016)p 134-140(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.68.2_134)
- 【資料4】加藤ひろの「中小公共図書館における蔵書構成と利用の実態について(<特集>第50回研究大会グループ研究発表)」(『図書館界』61巻2号 2009)p130-145(WEBで閲覧可 https://doi.org/10.20628/toshokankai.61.2_130)
- 【資料5】安形輝「2011年日本図書館情報学会春季研究集会の概要」(『日本図書館情報学会誌』57巻2号2011)p 63-69(WEBで閲覧可 https://ci.nii.ac.jp/naid/110008711155)
- 【資料6】『ライトノベル研究序説』(一柳廣孝編著 青弓社 2009)(2102236959)<91026/1120>
- 【資料7】木村晋治「ヤングアダルトコーナーの収集と配架をめぐって (特集:選書が変われば、図書館が変わる)」(『みんなの図書館』通号 350号 2006.6)p35-46
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【資料1】『公立図書館におけるヤング・アダルト(青少年)サービス実態調査報告』(日本図書館協会 1993)(9102481152)<015/KO79>
- キーワード
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- ライトノベル
- 図書館
- 小説
- ヤングアダルトサービス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000248576