レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年11月14日
- 登録日時
- 2015/03/12 10:04
- 更新日時
- 2017/04/08 14:13
- 管理番号
- 県立長野-14-033
- 質問
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解決
『天山全集 上篇』阪本天山/著 信濃毎日新聞社 1936年 当館請求記号【N080/6/1】の p133に「題三夕和歌」という題で、西行、定家、寂連の和歌をうけたらしい漢詩が掲載されている。
(湘山寂歴古渓流 高逸沙門昔遠遊 非是鷸蚌権利意 徒縁秋色発覊愁 右西行
浦頭茅屋対長流 尚駐王孫賦咏遊 更少風光添一点 空余秋杪暮天愁 右定家
道心歴尽歳華流 独愛空山杖鉢遊 遮莫杉松無色相 尚縁観物托余愁 右寂連 とある。)
西行、定家、寂連の和歌はそれぞれなんという歌集に載っているどのような和歌か。
- 回答
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参考資料1のp420、資料2のp106にあるように、新古今和歌集に収録されている「秋の夕暮」で終わる寂連、西行、定家による和歌が「三夕の歌」、「三夕暮れの和歌」と称されている。
資料2では
さびしさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮 寂連法師 (p98)
心なき身にも哀れは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮 西行法師 (p100)
見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮 藤原定家朝臣(p103)
となっている。
「右西行」、「右定家」、「右寂連」とあるそれぞれの漢詩に、それぞれの和歌から連想したと思われる語が見られるので、「三夕和歌」はこの三つだと思われる。
- 回答プロセス
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1 「題三夕和歌」という題から、「秋の夕暮」で終わる複数の和歌をまとめて呼ぶ呼び方があったはずと思い、インターネットで「秋の夕暮」△「和歌」を検索。
新古今和歌集に収録されている三つの和歌を「三夕の歌」という呼び、それぞれの作者が寂連法師、西行法師、藤原定家朝臣であることが分かる。
2 『和歌大辞典』で「三夕の歌」を確認。『新古今和歌集全注釈 2』でもそれぞれの和歌を確認。「三夕の歌」についても触れている。
「右西行」とある詩に「鷸」(シギ)、「右定家」とある詩に「浦」「茅」、「右寂連」とある詩に「杉松」など、それぞれの和歌から連想したと思われる語が見られるので、「三夕和歌」はこの三つの和歌のことと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 参考資料
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- 資料1:『和歌大辞典』犬養廉[ほか]/編 明治書院 1985年 当館請求記号【911.1/イキ】
- 資料2:『新古今和歌集全注釈 2』久保田淳/著 角川学芸出版 2011年 【911.13/クジ/2】
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000168886