レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年10月31日
- 登録日時
- 2013/03/26 10:44
- 更新日時
- 2018/08/31 17:35
- 管理番号
- 県立K2012-171
- 質問
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解決
「こじゃんと」と「こぢゃんと」はどちらが正しいものなのか、また語源は何か
- 回答
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※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
・『土佐弁ハンドブック』(市原麟一郎・坂本正夫・橋尾直和著、高知県文化環境政策課発行、2001年)によりますと、「『コジャント』の語源は、『しゃんとした』に接頭辞の『こ(小)』」がついたもの。したがって、『コシャント』が古い形です。原義は、『気のきいてるさま。物事がよい程度にまとまっているさま。こぢんまりと。きちんと。』の意です。(中略)<物事がよい程度にまとまって見えるさま>から<見事に、手もなく>という意に派生し、さらに<徹底的に、十二分に>の意に派生したと考えられます。土佐弁は、これらいずれの意味も持ち合わせています。一部『コシャント』を使用する地域もあります。また、須崎市、中村市では、<たくさん>の意で使われます。」とあります。
・『土佐弁さんぽ』(竹村義一著、高知新聞社発行、1985年)にも、「コジャント」の項に「しゃんとした」に「こ(小)」という接頭語のついたものと書かれてあります。
・『高知県方言辞典』(土居重俊・浜田数義編、高知市文化振興事業団発行、1985年)には「こしゃんと」、「こじゃんと」、「こちゃんと」の項目があります。いずれも「徹底的に。十二分に」という意味です。
・『土佐の方言』(土井八枝著、国書刊行会発行、1975年)に「こじゃんと」の項目があります。「きっちり、見事に、手もなく」という意味です。「こぢゃんと」はありません。
・『土佐弁ルネサンス 土佐ことば辞典』(橋尾直和著、高知県文化環境政策課発行、2000年)に「コシャント」「コジャント」の項目があります。どちらも「徹底的に。十二分に」という意味です。「コヂャント」はありません。
・『日本国語大辞典』(小学館発行、2001年)に「こじゃんと」(「こしゃんと」とも)の項目があります。「気のきいているさま、よい程度にまとまって見えるさま、そろっているさまを表す語。きちんと。」という意味です。高知県の方言として、「みごとに。手もなく。」「たくさん」という意味もあげています。「こぢゃんと」はありません。
- 回答プロセス
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818の棚の資料にあたる。
- 事前調査事項
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『土佐弁の基礎知識 逆引き土佐弁辞典』
- NDC
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- 方言.訛語 (818)
- 参考資料
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- 『土佐弁ハンドブック』市原麟一郎・坂本正夫・橋尾直和著、高知県文化環境政策課発行、2001年 (K818-トサ / 1106426305)
- 『土佐弁さんぽ』竹村義一著、高知新聞社発行、1985年 (K818-タケ / 1103915292)
- 『高知県方言辞典』土居重俊・浜田数義編、高知市文化振興事業団発行、1985年 (K818-コウ / 1102165840)
- 『土佐の方言』土井八枝著、国書刊行会発行、1975年 (K818-トイ / 1102165378)
- 『土佐弁ルネサンス 土佐ことば辞典』橋尾直和著、高知県文化環境政策課発行、2000年 (K818-ハシ / 1102342423)
- キーワード
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- こじゃんと
- 土佐弁
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000129682