レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20161101
- 登録日時
- 2017/03/16 00:30
- 更新日時
- 2020/04/13 09:53
- 管理番号
- 中央-2016-28
- 質問
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解決
江戸幕府で行われていた、新年に初めて謡曲を謡う「御謡初(おうたいぞめ)」という年中行事で、大名たちが能役者に向かって肩衣(かたぎぬ)を投げたのはなぜか。
- 回答
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都立DBを<謡初>のキーワードで検索したところ、徳川氏の謡初に関する論文を収録した資料が1件該当した。
資料1所収の「戦国・織豊期の徳川氏の謡初」(p.50-68)によると、1589(天正17)年の謡初の記録などに「肩衣脱(かたきぬぬき)」をしたとの記載があり、祝儀として演者に肩衣を与えたことがわかるとしている。さらに、1572(元亀3)年の『伊勢貞興返答書』という故実書から、本来は投げるのではなく舞台に持っていくものだったが、元亀から天正にかけてのころには投げ与えることが一般化していたと捉えられるとしている。
さらに、都立DBを件名<能楽>、キーワード<江戸>で検索したところ、資料2が見つかった。
資料2のp.51-53によると、御謡初では、謡曲が終わると将軍が観世大夫に肩衣を賜り、それに続いて大名たちも肩衣を大夫に投げ与えた。そして、大名たちから与えられた肩衣は、後日金子(金銭)と引き換えに返却をし、能役者にとって莫大な収入となったようだとある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 能楽.狂言 (773 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】戦国織豊期の社会と儀礼 / 二木 謙一/編 / 吉川弘文館 , 2006 <210.47/5083/2006>
- 【資料2】江戸と能楽 / 狩野 滋/著 / わんや書店 , 1989 <7730/3019/89>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000211834