レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年08月01日
- 登録日時
- 2012/10/18 10:22
- 更新日時
- 2018/08/31 19:03
- 管理番号
- 県立I2012-56
- 質問
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解決
「ピエタ」と呼ばれる絵が見たい。
3名の画家のものをそれぞれ。①ベッリーニ(Bellini, Giovanni)②カルロ・クリベリ(1485年頃の作品)③ぺルジーノ(1494年頃の作品)
(②と③の画家名のスペルは不明。読んだ資料にはカタカナで書いてあるのみだった)
- 回答
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※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
①『ファブリ世界名画集 平凡社版 69 (ベリーニ)』・・・「ピエタ」が2点掲載されている。
『ウフィツィ美術館(SCALA MISUZU美術館シリーズ 9)』・・・No.63「ピエタ」(1485~90年頃)。解説あり。
②1485年頃の作品は、当館の資料ではみつからず。相互貸借で、他館より資料を借り受けて提供。
『世界美術大全集 西洋編 第13巻』(小学館 1994)・・・1493年の「ピエタ」がモノクロで掲載あり。(参考までに紹介。)
『メトロポリタン美術全集 4』( 福武書店 1987)・・・p.58~59にカラーで「ピエタ」(1476)が掲載されている。(参考までに紹介。)
③『世界美術大事典 5』(小学館 1989)・・・ p.190「ペルジーノ」項目内に「ピエタ」1点掲載されている。
『ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1』(日本経済新聞社 2001)・・・pp.126~7「ピエタ」カラーで掲載。解説あり。
- 回答プロセス
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①作家の綴りが分かっていたので、当館のOPACキーワード検索を行なう。キーワードは「Bellini」
ヒットしたもののうち、『ファブリ世界名画集 69(ベリーニ)』を確認すると、「ピエタ」と題する作品が2点掲載されていた。
②作家の綴りが不明である為、まず確認から始める。
Googleで検索「カルロ」×「クリベリ」×「ピエタ」 →ヒットしたもののうち、ヒントになりそうな事項を拾う。
「クリヴェッリ」、「Carlo Crivelli」、「イタリア、ルネサンス期の画家」
Googleで再検索「カルロ」×「クリヴェッリ」×「ピエタ」 →多数ヒット。 年代が合い、「ピエタ」という作品もあるので、綴りは「Carlo Crivelli」でよいようだ。
辞典で確認する。
『美術家索引(西洋篇)』(日外アソシエーツ)の「カナ表記索引」で探す。
「クリベリ」は、無し。英語のカナ表記の場合、「ベ」と「ヴェ」の場合があるため、「クリヴェリ」の方も探す。
「クリヴェッリ・カルロ 」→「CRIVELLI Carlo」と有り。
p.213「CRIVELLI Carlo」項目には、生没年は1430(~35)-1495(~1500)。探している人物、Googleで目当てをつけた人物と合う。
資料として掲載されているもののうち、当館にある資料の中を確認する。
『世界美術大事典 2』(小学館、1989)、p.164「クリヴェッリ、カルロ」の説明があり、晩年に「ピエタ」(ボストン美術館)という作品があることが書かれている。ただし、絵は掲載されていない。
この人物「Carlo Crivelli」(1430(~35)-1495(~1500)で確定とし、絵が掲載されている資料を探す。
当館OPACのキーワード検索で人物名を検索してもヒットしないので、書架で直接探す。イタリア・ルネサンス期の画集、全集類。
『世界美術大全集 西洋編』の 第11~13巻が「イタリア・ルネサンス」なので、その巻末索引をひいて探す。
第13巻にクリヴェッリが掲載あり。P.52~「ヴィヴァリーニとクリヴェッリ」。
ただし、1485年の「ピエタ」(ボストン美術館)については簡略な説明のみ。1493年の「ピエタ」(ブレラ絵画館)がモノクロで掲載されているので、参考までに紹介する。
『メトロポリタン美術全集 4』( 福武書店 1987)が、「イタリアルネサンス」なので、中を見て探す。巻末「索引小辞典」に「クリヴェリ・カルロ」がある。P.15、58、60に掲載とあるので、確認する。
p.15には、クリヴェリの説明のみ。絵は無し。p.60にも、名前が出てくるのみ。絵は無し。
p.58~59に「クリヴェリ」の項目がとられており、カラーで「ピエタ」(1476)が掲載されている。ただし、1476年の作品。参考までに紹介する。
NDLサーチ検索で、画集をみつけたので、相互貸借で提供する。「カルロ・クリヴェッリ画集」(トレヴィル 1995)
③作家の綴りが不明である為、まず確認から始める。
Googleで検索「ペルジーノ」×「ピエタ」 →多数ヒット。年代が合う「ピエタ(1495年頃)」があるので、「Perugino」ではないかとあたりをつける。「イタリア、ルネサンス期の画家」、「ピエタ(1495年頃)」
『美術家索引(西洋篇)』(日外アソシエーツ)の「カナ表記索引」で探す。
「ペルジーノ」→「PERUGINO」と有り。
p.701「PERUGINO」項目には、生没年は1445(~52)-1523(1524.2(3))。探している人物、Googleで目当てをつけた人物と合う。
資料として掲載されているもののうち、当館にあるものの中を確認する。
『世界美術大事典 5』(小学館、1989)、p.190「ペルジーノ」の説明があり、「翌九五年にはジェズアート修道会のための『ピエタ』(フィレンツェ ウッフィーツィ美術館)~を描いた」とある。同ページに、カラーで絵も掲載されている。制作年も合う。
この人物「Perugino」(1445(~52)-1523(1524.2(3))で確定とし、絵が掲載されている資料を、この他にないか探す。
当館OPACキーワード検索「ペルジーノ」または「Perugino」→該当する資料は無し。
NDLサーチ検索「Perugino」→ヒットしたもののうち、当館所蔵の資料はないかを再度確認。→無し。
『世界美術大事典 5』に、「ウッフィーツィ美術館」とあったので、このキーワードで当館OPAC検索をする。
Googleで、「ウッフィーツィ」の英語綴りを確認する。→「Uffizi 」
当館OPACキーワード検索「Uffizi」→ヒット2件。『ウフィツィ美術館』2冊。
当館OPACキーワード検索「ウフィツィ」にして再度検索。
→ヒットしたもののうち、該当するのは『ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1』。
『ウフィツィ美術館(SCALA MISUZU美術館シリーズ 9)』には「ピエタ」掲載なし。『世界の美術館16』(講談社)、『ラ・ミューズ 7』(講談社)にも掲載なし。
『ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1』巻末の、リスト<画家と作品>で「ペルジーノ」を探すとpp.126~7に「ピエタ」が掲載と分かる。pp.126~7「ピエタ」(1493-1494年頃)が、カラーで掲載。解説あり。
『ウフィツィ美術館(SCALA MISUZU美術館シリーズ 9)』巻末の、<図版目録>で「ペルジーノ」を探すとNo.47に「ペルジーノ」があるが、作品は「ピエタ」ではない。(作品名「フランチェスコ・デレ・オペレの肖像」)
◇この資料をみていて、偶然にべッリーニ(ベルリーニ)の「ピエタ」も見つけた)。No.63「ピエタ」(1485~90年頃)。解説あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 洋画 (723 9版)
- 参考資料
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- 『ファブリ世界名画集 平凡社版 69 (ベリーニ)』(平凡社 c1973)(723/F 自館ID:1101356341)
- 『世界美術大事典 2』(小学館、1989)(R703.3/S/2 自館ID:1100843547)
- 『世界美術大事典 5』(小学館、1989)(R703.3/S/5 自館ID:1100843570)
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『ウフィツィ美術館 フィレンツェの名画100+1』( ジョイア・モーリ/〔編〕著 石鍋 真澄/監訳
日本経済新聞社 2001)(723 自館ID:1103567531) - 『ウフィツィ美術館(SCALA MISUZU美術館シリーズ 9)』( ルチアーノ・ベルティ/〔ほか著〕 田辺 徹/訳 みすず書房 1994) (708/S 自館ID:1101158622)
- 『世界美術大全集 西洋編 第13巻』(小学館 1994)(708/S 自館ID:1101288544)
- 『メトロポリタン美術全集 4』( メトロポリタン美術館/原著 福武書店 1987)(708/M 自館ID:1101288353)
- 『カルロ・クリヴェッリ画集』(トレヴィル 1995)
- キーワード
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- 美術
- 絵画
- 宗教画
- ピエタ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000112730