レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年05月10日
- 登録日時
- 2016/11/25 17:49
- 更新日時
- 2016/12/15 19:58
- 管理番号
- tr438
- 質問
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解決
日光東照宮の三猿について、「見ざる聞かざる言わざる」以外の解説があると聞いた。資料があれば読みたい。
- 回答
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日光東照宮の三猿について、「見ざる聞かざる言わざる」以外の説明(特に由来)を確認した資料をお知らせします。
・『日光 鬼怒川』(JTBパブリッシング 2012)
p.28「三猿っていったい何?」に次の記述があります。
「子供のころは、悪事を見ない言わない、聞かないほうがいいという教えだといわれている。」
「三猿が日本に伝わった起源は、天台宗の教えの基本となった『漢語』の中に出てくる「不見、不聞、不言」、『論語』に書かれている「非礼勿聴、非礼勿言、非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ)」
p.29「8枚の彫刻から、三猿に関係するストーリーをみてみましょう」の「2 判断力のない子猿時代」にも説明があります。
・『とちぎ解剖学 生活の場を読み直す』(的場哲朗/編 下野新聞社 1997)
p.113-114「江戸時代の風俗考証家・喜多村信節は『嬉遊笑覧』の中で「もと天台の大師(智覬)三大部の中、止観の空仮中の三諦を不見・不聴・不言に比したるあり。それを猿に表して伝教大師、三つの猿を刻めりとかや」と言っています」
調査の過程で、三猿を含む神厩舎の猿の彫刻についての解説がありましたので、参考までにお知らせします。
・『日光東照宮』(矢島清文/著 社会思想研究会出版部 1961)
p.78「三猿の示す物語」に、神厩舎の八面の猿について次の記述があります。
「山王一実神道の三諦即一、一心三観をあらわすというむずかしい説明もある」
「私は(略)猿の一生をもって人間の一生を諷刺していると説明している」
・『東照宮再発見 謎と不思議』(高藤晴俊/著 栃木新聞社 1990)
p.26「神厩―馬屋に猿のいる訳―」に「昔から猿は馬の守り神とされ、(略)それで神厩に猿の彫刻が施された。」とあります。猿が馬の守り神である理由としては「陰陽五行説」を挙げ、解説しています。
また、p.118に「猿―三猿の物語―」の項があります。
その他、他国の三猿には以下のとおり、東照宮の三猿とは異なる解釈があります。
・『世界の三猿 その源流をたずねて』(飯田道夫/著 人文書院 2009)
p.124「ゾロアスター教徒と名のる人から、三猿は同教の教えである正思、正言、正行を表したもので、この教えを子どもに教えるために、三猿は古くから各家庭に置かれてきたものです、と言ってきた」
p.205「三猿ポーズの置物の蛙を表紙にあしらったもので、書名は『聞け、見ろ、口はつつしめ』となっていた。これがオランダの三猿の諺で、三猿の教えをこのように解する地はほかにもある」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521)
- 彫刻 (710)
- 参考資料
- キーワード
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- 日光東照宮
- 三猿
- 彫刻
- 神厩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000200417