レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年3月14日
- 登録日時
- 2017/10/31 18:18
- 更新日時
- 2018/05/22 15:39
- 管理番号
- 埼久-2017-068
- 質問
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未解決
歌川国芳の浮世絵「山海愛度図会 さんかいめでたいずえ」シリーズについて、表題作品が載っている文献を探してほしい。その中で特に「花をごらんあそばしたい」について調べている。「山海愛度」というタイトルの意味、作品の詳細についてわかるものなどを知りたい。
- 回答
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「山海愛度」というタイトルの意味について確認できる資料、「花をごらんあそばしたい」の作品詳細について解説したものを確認することはできなかった。
- 回答プロセス
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1 NDC分類〈721.8〉(浮世絵)の資料にあたる
『浮世絵事典 上巻 あ~さ』(吉田暎二著 画文堂 1977)
p396-397 「山海愛度図会」の解説あり。「一勇斎国芳画の大錦判美人画の揃物で(中略)そしてすべて「えりをぬきたい」とか「身ままにおりたい」とか、ことごとく「たい」という言葉を画題として表題のかたわらに記し、これを現す絵をかいているのである」とあり。また、コマ絵には子女門弟が諸国の名産を書いており、そのコマ絵が物産絵として、人物より興味を持って見られているとした上で、「これは「山海名産尽」などと同じく、雪鼎の「日本山海名物図会」や関月の「山海名産図会」などの影響下にあり、よく似た構図のあることはもちろんである」とあり。タイトルの意味などはなし。
『浮世絵レファレンス事典』(日外アソシエーツ 2010)
p90-91 「山海愛度図会 たんと釣たい」などが掲載されている資料の記述はあるが、「花をごらんあそばしたい」はなし。
『仙台市博物館収蔵資料目録11 浮世絵版画』(仙台市博物館 2002)
p5-6 「山海愛度図会」4点の掲載があるが、「花をごらんあそばしたい」はない。
p102 目録に製作年「嘉永5年(1852)」と記述がある。
2 データベースを検索する
(1)《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈山海愛度〉で検索する。
図版のほかに「浮世絵競艶画集」など4件ヒットするが、所蔵なし、国会デジタル館内限定閲覧。
(2)美術作品のデータベースを〈山海愛度〉で検索する。以下は図版のみで、解説がないもの。
《早稲田大学 演劇情報総合データベース》(http://enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html 早稲田大学)
《錦絵データベース》(http://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/nisikie/db_param 国立歴史民俗博物館)
(3)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈山海愛度〉で検索する。
質問に関するものなし。
3 《Google ブックス》(http://books.google.co.jp/ Google)を〈山海愛度〉で検索する。
「浮世絵美人画の魅力 : 国貞・国芳・英泉」([歌川/国貞 画],[歌川/国芳 画],[池田/英泉 画] 北海道立近代美術館 図録編集:北海道立近代美術館 2006)
展示の図録に「山海愛度図会」の掲載されているが、所蔵なし。
4 《北海道立近代美術館》(http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/)を〈山海愛度図会〉でサイト内検索する。
《(山海)目度鯛図会(めでたいずえ) 五十二 あたまかいたい》(http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/collection/sakuhin05.htm)
「《山海愛度図会》は、人々の購買欲を刺激することを目的に、諸国の名産品を描いたこま絵と当時流行の髪形や着物に身を包んだ美人を組み合わせた揃物。副題は標題の愛度にかけて「…したい」とし、さまざまな女性の仕草と対応させている」とあり。
5 《Google》(https://www.google.co.jp/ Google)を〈歌川国芳〉で検索する。
《江戸の浮世絵師紹介~猫の浮世絵美術館 - 子猫のへや》(個人サイト)
「歌川国芳展」へのリンクがあり。
「山海愛度図会(1852)」(個人サイト)に3点の掲載があり、解説があるが「花をごらんあそばしたい」はない。
「「山海愛度図会」(さんかいめでたいずえ)は、タイトルを全て「~たい」という語尾で統一し、浮世絵を通じて全国の名産品を紹介する全62枚のシリーズものです。表記としては「山海愛度図会」のほか「山海愛たいづゑ」(おもたい)・「山海めで度図会」(早く着てみたい/つづきが見たい)・「さん海愛度図会」(あとが聞たい)・「さんかい愛度図会」(これが着たい)などまちまちですが、全て同一シリーズです。ちなみにこのシリーズは国立国会図書館デジタル化資料において確認することができます。」と解説がある。
(その他調査済資料)
『色浮世絵大百科事典』(原色浮世絵大百科事典編集委員会編 大修館書店 1981)全11冊
『浮世絵大系 10 国貞/国芳/英泉』(座右宝刊行会編集制作 集英社 1976)
『国芳』(歌川国芳〔画〕 鈴木重三編著 平凡社 1992)
『江戸の遊び絵』(稲垣進一編著 東京書籍 1988)
『艶色浮世絵全集 第10巻 国芳』(福田和彦編著 河出書房新社 1997)
『国芳の狂画』(稲垣進一編著 東京書籍 1991)
『定本・浮世絵春画名品集成 12 華古与見』(河出書房新社 1996)
『奇想の系譜 又兵衛-国芳』(辻惟雄著 美術出版社 1970)
『国芳漫画』(歌川国芳〔画〕 鈴木仁一編著 岩崎美術社 1982)
『国芳 秘版国芳 草紙本浮世絵名品選』(歌川国芳〔画〕 福田和彦〔画〕編述 芳賀書店 1974)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年10月31日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『仙台市博物館収蔵資料目録11 浮世絵版画』(仙台市博物館 2002)
- キーワード
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- 歌川 国芳(ウタガワ ,クニヨシ)
- 浮世絵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000224117