レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2008/05/23 02:10
- 更新日時
- 2012/03/21 11:19
- 管理番号
- C2007M0630
- 質問
-
未解決
昭和4~6年頃に「飯山太平」(戦後の水産庁朝刊)が大阪で「日本発の魚肉ソーセージ」を作ったということですが、その新聞記事はどこに掲載されていますか?ただし、この件は資料での確認は無く、水産会社の社内資料に残っているようです。また、新聞記事に載ったかどうかも確証はありません。
- 回答
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ご照会の事項について以下のとおり回答します(【】内は当館請求記号です)。
昭和4から6年頃の新聞記事についてのご照会とのことですが、広範囲の新聞を網羅的に調査することはできません。当館のレファレンス・サービスの範囲を超えるものですのでご了承ください。
当館で契約しているデータベースで、1874年から1960年の読売新聞の記事本文を検索できる「読売新聞CD-ROM」や、1945年以降の記事を検索できる「聞蔵2ビジュアル」において「飯山太平」、「ソーセージ」といったキーワードで調査を行いましたが、該当する情報はありませんでした。
以下の資料において調査を行った結果、魚肉ソーセージの開発に関する記述がありましたのでご紹介いたします。
(1)『新・食品事典. 9』加工食品・冷凍食品(河野友美編 真珠書院 1999 【PC2-E9】)
pp.76-77で魚肉ソーセージが紹介されており、1949(昭和24)年ごろから研究開発が
始まり、1952(昭和27)年から本格的に生産が始まったとの記述があります。
(2)『水産食品の事典』(竹内昌昭,藤井建夫,山澤正勝編 朝倉書店 2000 【PC2-G11】)
p.241で魚肉ソーセージが紹介されており、1930年代後半から試作が日本各地で行われ、1950年代後半に量産が可能となったとの記述があります。
(3)『京都大学食糧科学研究所報告』(京都大学食糧科学研究所 年刊 【Z18-294】)
第19号(昭和32年3月)のpp.35-43に、魚肉ソーセージのケーシング技術に関する論文である「魚肉ソーセージの研究(1)」(清水亘他著)が掲載されています。この冒頭に魚肉ソーセージの開発に関する記述があり、1955年の春頃に魚肉ソーセージが出現し、発展していったこと、研究が始められたのは大正年間で、水産試験場や漁業会社等で試製されていたこと、著者の研究により魚肉ソーセージの一種であるツナハムが1938年に特許を受けたことなどが記載されています。なお、「魚肉ソーセージの研究(2)」以降の論文も調査しましたが、(1)より詳しい魚肉ソーセージの開発に関する記述は見当たりませんでした。
なお、西南開発株式会社HP(http://www.seinankaihatsu.co.jp/ )内の沿革のページには、昭和26年10月にわが国最初の魚肉ソーセージを開発したとの記述があります。
飯山太平氏は戦後の水産庁長官とのことなので、ご照会の時期に農林省の職員であった可能性があることから、以下の資料において水産局、水産講習所、水産試験場の職員名を調査しましたが、該当する情報はありませんでした。
(4)『農林省職員録. 昭和2年10月20日,昭和3年9月1日現在,昭和4-10年10月現在』
(農林大臣官房秘書課 昭和2-6 【14.1-127】)
NDL-OPAC(http://opac.ndl.go.jp/ )において飯山太平を検索しましたが、該当データはありませんでした。ただし、当館では所蔵しておりませんが、飯山太平氏には以下の著書があり、NACSIS Webcat(http://webcat.nii.ac.jp/ )によると東京海洋大学付属図書館などで所蔵しているようです。
・『水産に生きる』(飯山太平著 水産タイムズ社 1966)
(インターネットの最終アクセス日:2008年5月8日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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「日本水産50年史」;「日本水産70年史」(日本水産社史);「大阪朝日新聞縮刷版昭和4~6年」(覆刻版)
- NDC
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- 水産製造.水産食品 (667 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 水産製造
- 水産物
- 水産ねり製品
- 飯山太平
- 水産庁長官
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000044311