レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年12月22日
- 登録日時
- 2017/12/22 11:09
- 更新日時
- 2017/12/22 17:00
- 管理番号
- 県立長野-17-119
- 質問
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解決
長野県主催一府十県連合共進会と考えられる展示会で、人魚の剥製を宣伝した「ちらし」があるが、『長野県主催一府十県連合共進会事務報告』にそのような記述はあるか?共進会構内演芸館裏、博物標本陳列館にて、長野博物標本社が展示したようだ。
- 回答
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当館所蔵の『長野県一府十県連合共進会事務報告』長野県編・発行1910年刊【N606/2】を調査したが、人魚の剥製について確認することはできなかった。
他に信濃毎日新聞(明治41年9月20日~30日)を調査したところ、人魚の展示について次の記事が見つかった。
1. 明治41年9月20日(8面)記事名「博物標本陳列館」
「これは学術的のものであって、館主は長野市末広町内山博物標本店。場内演芸館の裏、陳列品は獣類、鳥類、虫類、魚類の標本物等で其数は約千七八百点、其中で最も珍しいのは琉球産の人魚《学名ジーゴン鯨の種類》長さ九尺余のものが三匹、(中略)その他瓶詰の標本の千点余の中には珍しいものが澤山ある。」
2. 明治41年9月22日(3面)記事名「農林館の陳列模様」
「神奈川県の海産物中人魚の剥製三個まで並べてあるのが頗る珍しく感じられる」
3. 明治41年9月28日(3面)記事名「興行及見世物めぐり(一)博物標本陳列館」
「(前略)これは長野市末広町の博物標本店内山氏の設けたもので、建物は小さいが其中に数千点が陳列されてある。何れも学術上の参考になるもので、殊に珍しいと思はる々ものは琉球産の人魚の標本これは学名ジーゴンと云ふて余りないもので、共進会農林館に剥製の標本があるこれは全く模造したものであって眞物(ほんもの)ではないが標本館のものは眞物で三個で琉球から東京まで取寄せるに三千圓もか々つた大したものである(後略)」
その他に、当館所蔵の下記資料を調査したが、人魚の剥製に関する記述は見つからなかった。
調査済み資料
『一府十県聯合共進会記念写真帳』長野県協賛会編・発行 1908年刊【N290.2/78】
『最新調査長野市全図・一府十県聯合共進会全景』山内半平著 山内印刷所 1908年刊【N212/300】
『長野市公文書館便りNo.16』一府十県連合共進会の開催 大イベントにわいた明治末の長野市 長野市公文書館【郷土雑誌】
- 回答プロセス
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1.当館所蔵の『長野県一府十県連合共進会事務報告』長野県編・発行1910年刊【N606/2】の内容を調査するが人魚の剥製についての記述なし。
2.当館OPACで「共進会」に関する資料を検索。上記の『一府十県聯合共進会記念写真帳』長野県協賛会編・発行1908年刊【N290.2/78】等を確認するが記述なし。
3.信濃毎日新聞マイクロフィルムで共進会が開催された期間(明治41年9月20日〜9月30日)を調べたところ、いくつか人魚についての記事が見つかり、その旨を質問者にメールで回答した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 団体 (606 8版)
- 参考資料
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長野県. 長野縣主催一府十縣聯合共進會事務報告. 長野縣, 1910-04.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000691543-00
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長野県. 長野縣主催一府十縣聯合共進會事務報告. 長野縣, 1910-04.
- キーワード
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- 共進会
- 人魚
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000227107