レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/19
- 登録日時
- 2017/12/10 00:30
- 更新日時
- 2017/12/10 12:42
- 管理番号
- 千県中参考-2017-15
- 質問
-
解決
最近牛肉のセーフガード(緊急輸入制限)が発動されたが、オーストラリアは対象外になるという新聞記事を見た。どのような法令に基づくのか知りたい。
- 回答
-
財務省の資料によると、「豪州産牛肉については、関税暫定措置法第7 条の5 に規定する既存の全世界向けの関税の緊急措置を適用しないことが、(日豪)経済連携協定附属書1 第3 編第1節「日本国の表についての注釈」において規定されて」います。
【資料1】「資料3-1 日豪経済連携協定発効に伴う個別物品に係る法令整備」(平成26年9月1日)p. 1
(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_plan/material/kana20140901/kana20140901g.pdf)
上の協定附属書については、その日本語文を外務省のウェブサイトで閲覧可能です。
【資料2】「日・オーストラリア経済連携協定(和文テキスト)「経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定」」(平成26年9月30日)
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ep/page22_001179.html)
「附属書一(第二章関係)第二・四条の規定に関する表」
「第三編 第一節「日本国の表についての注釈」」
p. 356「表の4欄に「PS*」又は「PS**」を掲げた品目に分類される原産品については、関税暫定措置法第七条の五に規定する牛肉に係る関税の緊急措置を適用しない。」
第二節「日本国の表」において、第二類「肉及び食用のくず肉」のうち「牛の肉(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る)」と「牛の肉(冷蔵したものに限る)」が上の印「PS*」(星印一つ)と「PS**」(星印二つ)に該当します(p. 360)。
(インターネット最終アクセス:2017年9月30日)
- 回答プロセス
-
「ヨミダス歴史館」(読売新聞記事データベース)(http://www.yomiuri.co.jp/database/rekishikan/)で「牛肉」「セーフガード」「オーストラリア」「豪州」等で検索して、関連記事を参照しました。
「米牛肉 来月から関税上げ 政府14年ぶり 輸入制限を発動」(『読売新聞』2017年7月28日 東京夕刊 3頁)
次のような記述がありました。
「セーフガードの対象は、米国やニュージーランド、カナダなど。豪州やメキシコ、チリなどは日本との経済連携協定(EPA)に基づく別ルールで判定されるため、対象外となる。」
検索エンジンで「日豪」「豪州」「経済連携協定」「EPA」「牛肉」「セーフガード」「緊急輸入制限」「適用対象外」「対象から除外」「site:go.jp」等のキーワードを組み合わせて検索したところ、農林水産省のウェブサイトにも新聞記事と同様の情報を確認しました。
「冷凍牛肉に係る関税緊急措置の発動について」(農林水産省 平成29年7月28日)
(http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_shokuniku/170728.html)
「平成29年度第1四半期(4月~6月)の冷凍牛肉の輸入量が、関税緊急措置の発動基準数量を超えたため、関税暫定措置法第7条の5第1項の規定に基づき、」平成29年8月1日から緊急措置が発動されます。
「豪州、メキシコ、チリについては、我が国との間でEPA(経済連携協定)が発効済みであり、EPA税率の適用を受けるとともに、本関税緊急措置とは別途のセーフガード(豪州)又は関税割当(メキシコ、チリ)の対象となります。」
また、上の検索結果から次のような資料も確認しました。
「資料3-2 日豪経済連携協定発効に伴う個別物品に係る法令整備(資料編)」
(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_plan/material/kana20140901/kana20140901h.pdf)
p. 3「牛肉に係る関税の緊急措置(関税暫定措置法第7条の5)の改正」
「豪州産牛肉については、協定において全世界向け緊急措置の適用対象外となる旨が規定されている」
この資料の掲載場所を探したところ、財務省のウェブサイトが見つかりました。
「関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会配付資料一覧」(平成26年9月1日 財務省)
(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_plan/material/kank20140901.htm)
このページに掲載されている他の資料を確認したところ、【資料1】に関連する記述が見つかりました。これを受けて外務省のウェブサイトで【資料2】を確認しました。【資料2】と同様の記述は官報にも掲載されています。
【資料3】『官報』(平成26年12月19日 号外第285号)条約第19号「経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定」「附属書一 第三編 第一節」p. 60
なお、以下の資料を確認しましたが、関連する記述は見当たりませんでした。
『ベーシック条約集 2017年版』(薬師寺公夫編集代表 東信堂 2017)
『国際条約集 2016年版』(岩沢雄司編集代表 有斐閣 2016)
p. 549-554「日豪経済連携協定(抄)」附属書一から附属書十三までは省略されています。
『コンサイス条約集』(位田隆一編修代表 三省堂 2015)
『関税六法 平成27年度版』(日本関税協会 2015)
『数字でみる食肉産業 2015』(食肉通信社 2015)
p. 172「日豪EPA交渉における牛肉分野の合意内容」
- 事前調査事項
- NDC
-
- 畜産経済.行政.経営 (641 9版)
- 畜産製造.畜産物 (648 9版)
- 貿易 (678 9版)
- 参考資料
-
- 【資料1】「資料3-1 日豪経済連携協定発効に伴う個別物品に係る法令整備」(平成26年9月1日 財務省)p. 1(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_plan/material/kana20140901/kana20140901g.pdf)
- 【資料2】「日・オーストラリア経済連携協定(和文テキスト)「経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定」」(平成26年9月30日 外務省)(http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ep/page22_001179.html)
- 【資料3】『官報』(平成26年12月19日 号外第285号)p. 60
- キーワード
-
- 条約(ジョウヤク)
- 牛肉(ギュウニク)
- 関税(カンゼイ)
- 自由貿易地域(ジユウボウエキチイキ)
- 日豪経済連携協定(ニチゴウケイザイレンケイキョウテイ)
- 日本-貿易-オーストラリア(ニホン-ボウエキ-オーストラリア)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 法情報
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000226146