レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年08月21日
- 登録日時
- 2018/08/21 16:47
- 更新日時
- 2018/11/29 14:31
- 管理番号
- 北九2018中央025
- 質問
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解決
「押し花」の由来、背景について書かれている資料があるでしょうか。作り方ではなく、世界の状況やどこが発祥なのかなどについて知りたいです。
- 回答
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押し花の起源について記述のあった下記の資料を紹介しました。
<図書>
(1)『押しばな絵』 「押し花の変遷」の項目があり、「キーニ(ギニと同じ?)と滝沢馬琴が始めた」とあります。
(2)『押花デザインレッスン』 ロココ時代の貴婦人に広まった旨の記述があります。
(3)『趣味の植物採集』 馬琴のさく葉帖および「日本最初の植物乾そう法」についての記述があります。
(4)『植物の採集と標本の政策』 西洋での始まりについての記述があります。
(5)『モナコ公国グレース公妃の花の本』 西洋ではルッカ・ギニが研究材料のひとつとして思いついたのが始めらしいとの記述があります。
(6)『シーボルトの二十一世紀』 押し花の起源がギーニであるが、花の色を保存する方法についてはそれ以前からもあるとの記述があります。
(7)『花の文化史』 植物標本の作製・保存方法を創始したこと、植物標本を作製していたこと、作製・保存方法が弟子たちによってヨーロッパ中に広められた記述があります。
<論文>
(8)『書籍発行の実態からみた日本における「押し花」の普及』 www.jsppr.jp/academic_journal/pdf/Vol.5_No.2_P19-24.pdf
- 回答プロセス
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自館所蔵の押し花の作り方の図書を調べたが、由来や背景についての記述はありませんでした。
googleで『押し花』『由来』をキーワードに検索したところ、レファレンス協同データベースの事例『「押し花」は誰がいつごろ何のために始めたか:埼玉県立久喜図書館(2110009)』がヒットしたが、これに記載されていた(1)~(5)のうち、所蔵していたのが(3)のみであったため、それ以外の図書は相互貸借を行い、到着までの間に再度自館の所蔵について確認し、(6)を発見しました。
Googleでさらに『押し花』『起源』をキーワードに検索すると、『人間・植物関係学会雑誌 5 (2) : 19-24, 2006.』に掲載された日本における押し花の状況についての論文がヒットしました。
さらに、Googleで『押し花』『最古』をキーワードに検索すると、『但馬国府・国分寺館ニュース 特別号』 よみがえる江戸の彩-日本最古の押花展- 平成16年秋に豊岡藩主京極高永の正室だった梅寿院の歌集6巻とともに、1721年から1752年にかけての年号の書かれた約70点の押花が発見され、兵庫県立人と自然の博物館で調査したところ日本最古級の押花であることが判明し、平成18年4月に展示会および講演会を開催をした旨の記述があったことを提示しましたが、その後、質問者から、8月4日の朝日新聞デジタルで、長野県諏訪市博物館に寄贈された押し花・押し葉が、国立科学博物館の調査の結果、採集年月日や場所が分かるものとして日本最古であるとの記事があるとの情報がありました。
- 事前調査事項
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朝日新聞デジタル「300年前の押花、日本最古でした 長野の藩士が採集」https://www.asahi.com.arthicles/ASL84313ZL84UOOB003.html
- NDC
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- 手芸 (594)
- 植物学 (470)
- 植物地理.植物誌 (472 9版)
- 参考資料
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- 興茂吉亮. 押しばな絵. マコー社, 1981. p. 42
- 岩田一恵. 押花デザインレッスン. 主婦の友社, 1993. p. 67
- 牧野富太郎. 趣味の植物採集. 三省堂, 1935. p. 168
- 本田正次. 植物の採集と標本の製作. 内田老鶴圃, 1937. p. 25
- モナコ グレース公妃/共著 グエン・ロビンス/共著 木幡和江訳. モナコ公国グレース公妃の花の本. 中央公論社, 1982. p. 40
- 大場秀章. シーボルトの21世紀. 東京大学総合研究博物館, 2003. p. 57-58
- 春山行夫. 花の文化史. 講談社, 1980. p. 189,217
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000241029