レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年2月9日
- 登録日時
- 2019/02/09 10:22
- 更新日時
- 2019/02/13 17:31
- 管理番号
- 157
- 質問
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解決
尼崎市潮江に工場があった日本エレベーター製造(株)について調べたい。
- 回答
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大正8年(1919)創立の日本エレベーター製造(株)は本社を東京に置き、工場を大阪市東区中道川西町(現中央区玉造)に置くエレベーター等の製造を目的とする会社でした。昭和4年(1929)には神崎工場を小田村潮江字東大寺(現潮江1丁目)に新設し、のちに本社も同所に移転します。営業案内には、製造品目としてエレベーター、エスカレーター、コンベア、ホイスト、ケーブルカー、特殊索道、その他一般輸送機械があげられています。
昭和11年(1936)、(株)日立製作所は日本エレベータ製造の全株を取得し、エレベーターの製造を同社日立工場(茨城県)に移管します。これにより日本エレベーター製造は販売と保守サービスの専業となり、神崎工場は昭和15年2月に日立製作所の尼崎工場神崎分工場となりました。同年12月、日本エレベーター製造(株)は、日立製作所傘下の共成工業(株)、(株)良鋼社との3社合併で日立工事(株)となり、21年の歴史に終止符を打ちます。
昭和24年、神崎分工場は日立製作所から分離されて日立工事(株)の尼崎工場となり、昭和31年、日立工事の一部事業が日立機電工業(株)として独立した際に同社の本社工場となります。のちに尼崎工場と改称され、昭和52年頃まで存続しました。
日本エレベーター製造の社史は発行されなかったようですが、尼崎市立地域研究史料館が所蔵する関連資料から、営業状態の一端を知ることができます。
平成31年(2019)現在、本社を東京都に置く同名の日本エレベーター製造(株)がありますが、同社は昭和10年創業の東洋エレベーター製作所が昭和22年に商号変更したもので、この質問の対象である日本エレベーター製造(株)とは無関係の別企業です。
- 回答プロセス
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地域研究史料館が所蔵する以下の史料を紹介した。
1 近現代文書
◆「日本エレベーター製造株式会社営業案内」(文書群番号104011)
昭和4年以降に発行された営業案内1点。主要納品先と製品カタログからなる。
◆「日本エレベーター製造株式会社営業案内(2)」(文書群番号104011-2)
大正14年頃に発行された営業案内3点。大正14年6月末調べ及び同年7月~12月末の納品先の名称一覧が掲載されている。
2 絵はがき
◆校内設置エレベーター:日本エレベーター製造株式會社寄贈
大阪市の汎愛尋常高等小学校に設置されたエレベーターを紹介した写真絵はがき
(絵はがきデータベース「PCD」へのリンク)http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/pcd/watch.php?p=0000000929
3 逐次刊行物
◆兵庫県工場一覧.昭和4年、13年
◆兵庫県会社一覧.昭和9年、13年
本社が小田村に移転して以降記載がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 建築設備.設備工学 (528)
- 参考資料
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- 近現代文書「日本エレベーター製造株式会社営業案内」 (文書群番号104011)
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日立機電工業(株)社史編集委員/編集,10年の歩み.日立機電工業株式会社,1968
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002166782-00 (当館請求記号 536.6/A/ヒ) - 日立機電工業(株)社史編纂委員会/編纂,日立機電三十五年史.日立機電工業株式会社,1992 (当館請求記号 536.6/A/ヒ)
- キーワード
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- 日本エレベーター製造
- エレベーター
- エスカレーター
- コンベア
- ホイスト
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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絵はがきデータベース"あまがさきPCD"
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/pcd/
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 企業
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000251566