レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年10月13日
- 登録日時
- 2014/01/16 11:19
- 更新日時
- 2014/01/16 11:19
- 管理番号
- 9000009973
- 質問
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解決
武田流鉱山術と箱根用水の関係を知りたい。また、用水を作るのに利用された技術とはどのようなものだったか。
- 回答
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黒川金山衰退後、そこで培われた技術は金山衆の移住、展開とともに広がった。信玄の時代に発達したといわれる「甲州流」と呼ばれる治水技術には鉱山技術が生かされており、箱根用水の開鑿にも黒川の金堀りが雇われている。また「堤防溝洫史」(佐藤信淵著)によると、「甲州防河法」(甲州流、信玄流、元浄流、古流)は、信玄の防河法を研究していた元浄法師を師として不昧軒元庵が子孫に伝えたとされている。詳細については、照会資料をご確認ください。
- 回答プロセス
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1.『箱根用水と宝暦治水物語』(浜田進著 新人物往来社 1993年)を確認。p34に「技術的なことは「家伝の甲州流軍学の水利、掘抜きの法をもってすれば可能である」と説く友野(与右衛門)の言に耳を傾け…」の記述あり。
2.金山衆に関する資料を調査。
・『甲斐黒川金山:山梨県塩山市に所在する戦国時代金山遺跡の総合調査』(黒川金山遺跡研究会編集 塩山市 1997年)→p272に甲州の鉱山技術が用水工事に応用された例として、佐久の市川五郎兵衛新田用水を挙げている。
・『戦国金山伝説を掘る:甲斐黒川金山衆の足跡(平凡社選書)』(今村啓爾著 平凡社 1997年)→第6章「ひろがる鉱山技術」に「用水工事への応用」あり。市川五郎兵衛新田用水について記述。p248に箱根用水の開鑿にも黒川の金堀りが雇われている旨記述があり、p251に工法に関連する記述がある。
3.山梨県の土木技術史を調査。
・『山梨県土木建築史』(広瀬広一著 山梨県土木建築請負業組合 1935年)p48-54に「甲州防河法」の項があり、「甲州流には、築堤法及び、防河道具急施方法等に他流と異なる特技があった。堤防溝洫史は、その堤防製法の條下に下の如く説明してある」などとある。
4. 「堤防溝洫史」について調査。
・『国書総目録』第5巻(岩波書店 1990年)により「堤防溝洫史」は『佐藤信淵家学全集』に収載されていることがわかり、所蔵を確認。
- 事前調査事項
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『箱根用水と宝暦治水物語』(浜田進著 新人物往来社 1993年)について、当館に所蔵があることを確認した。
- NDC
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- 土木設計.施工法 (513 9版)
- 参考資料
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- 『箱根用水と宝暦治水物語』(浜田進著 新人物往来社 1993年) (p34)
- 『甲斐黒川金山:山梨県塩山市に所在する戦国時代金山遺跡の総合調査』(黒川金山遺跡研究会編集 塩山市 1997年) (p271-272)
- 『戦国金山伝説を掘る:甲斐黒川金山衆の足跡(平凡社選書)』(今村啓爾著 平凡社 1997年) (p239-251)
- 『山梨県土木建築史』(広瀬広一著 山梨県土木建築請負業組合 1935年) (p48-54)
- 『佐藤信淵家学全集』上巻(佐藤信淵編著 岩波書店 1992年) (p183-306)
- キーワード
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- 甲州流
- 鉱山技術
- 金山衆
- 金堀り
- 箱根用水
- 用水路
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 武田氏・武田信玄・武田家臣 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000143582