レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月16日
- 登録日時
- 2017/11/21 19:11
- 更新日時
- 2024/01/18 14:07
- 管理番号
- 横浜市中央2488
- 質問
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解決
横浜市にある「山下公園」の名称の由来、設置の経緯を知りたい。
- 回答
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山下公園の名称の由来については、『横濱復興誌 第3編』によると、国から横浜市に対し、従来から呼称してきた「山下」としたいと提案があり、横浜市は「海岸公園」としたいと回答したが、結局「山下公園」に決定した、とあります。
山下公園の設置の経緯については、『横濱復興誌 第3編』に、大正12年の関東大震災後、横浜市の復興整備にあたり、国が山下公園の新設を都市計画事業として実施する旨が記載されています。
また、山下公園の敷地は、震災の灰燼整理に伴う焼土場所と許可されていた区域の海面を埋め立て、
これに震災以前に既に埋立されていた土地を加え敷地とする、とあります。
詳しい記載のある資料は次のとおりです。
なお、インターネット上で本文がご覧いただける資料はURLを記載しています。
1 山下公園の名称の由来、設置の経緯について記載のある資料
(1)『横濱復興誌 第3編』横浜市役所 1932.3
横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」
https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/detail?cls=collect_01&pkey=00004745
p.35 山下公園の名称について、従来呼称してきた「山下」の名を冠することに 決めたい旨、大正15年6月5日付復横発1349号を以て、復興局横浜出張所長から横浜市に 対し意見を求められたとあります。
横浜市は、これに対して、大正15年7月12日付第2279号を以て、この機会に従来の呼称を改めて、「山下」を「海岸」とする方が適切かつ便利であるとする意見を付与し回答していますが、結局「山下」に決定したとされています。
p.27~「イ 復興計画」、p.68~「ハ 山下公園」
公園設置の経緯について、国の復興計画として公園新設が決定するまでの過程から、具体的な計画、各種工事の内容について詳細に記載されています。
(2)『横浜の公園史稿 居留地時代から昭和40年代まで』
横浜市公園緑地行政資料調査会/編 横浜市緑政局公園部管理課 2003.1
『公園史(三)』p.5~6「(Ⅰ)関東大震災復興公園」
公園の名称について、1(1)『横濱復興誌』と同内容が記載されています。
『公園史(三)』p.1~6「(Ⅰ)関東大震災復興公園」、p.9~25「(Ⅱ)山下公園」
公園の設置、造成工事、戦後まで解説されており、関連する行政文書等の資料も記載されています。
(3)『横浜山下公園 海辺に刻まれた街の記憶』横浜都市発展記念館/編 横浜市ふるさと歴史財団
2016.4
p.12 「公園の名称として横浜市は『海岸公園』を提案するが、最終的には政府案の『山下公園』に決定した。」とあります。
公園の設置から現在に至るまでの歴史を、多くの写真や絵図等を用いて簡潔に記載されています。
(4)「自主研究レポート 臨海公園の誕生と横浜市 山下公園の成立事業に関する一考察」 田中祥夫(「調査季報」127号 横浜市都市経営局政策課 1996.9)p.60~63
横浜市「調査季報」バックナンバー
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/shien/tyousakihou/127.files/0024_20191115.pdf
p.63「本公園の名称について市は「海岸公園」を主張したが結局、政府案(山下)に決定された。」とあります。
次の(5)~(7)は、名称の由来について記載はありませんが、設置の経緯について記載のある資料です。
(5)『山下公園再整備事業報告書』横浜市緑政局 横浜市緑政局公園部建設課 2002.3
平成11年の再整備事業の報告ですが、資料編では、山下公園の歴史を年表で確認できるほか、
1(1)、(4)、(6)を含め、様々な関連資料の抜粋が収録されています。
(6)『帝都復興事業誌 建築篇・公園篇』復興事務局 1931
東京都立図書館デジタルアーカイブ「TOKYOアーカイブ」
http://archive.library.metro.tokyo.jp/da/detail?tilcod=0000000006-00002473
p.123~「第五項 山下公園」
(7)『横浜市史稿 地理編』横浜市役所/著 横浜市役所 1932年
p.962~963「二 山下公園」
2 参考
上記1のとおり、山下公園の名称を決める際に、国は「従来から山下と呼称してきた」という点から「山下公園」と提案したとあります。
山下公園が設置された場所については、『横濱復興誌 第3編』「山下公園地籍調」に、町名「山下町海岸通」、「山下町海岸通接続海水面埋立地」と記載があることから、「山下町」の町名の由来についても参考までにご紹介します。
『横浜の町名』横浜市役所市民局住居表示課/編 横浜市市民局住居表示課 1982年
p.110「山下町」
「町名は山手(町)に対応するもので「山の下」の意で付けたもの。」
『横浜の町名』1991年版、1996年版には記載はありません。この記載があるのは1982年版のみです。
(URL最終確認日:2023年12月25日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衛生工学.都市工学 (518 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000225273