レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/4/20
- 登録日時
- 2017/05/18 00:30
- 更新日時
- 2017/05/18 15:18
- 管理番号
- B170411172609-1
- 質問
-
解決
小田急線の線路で、百合ヶ丘駅から新百合ヶ丘駅方向に70mほど進んだ場所の地下には川崎第一水道が通っていますが、どのように通っていますか。例えば、高低差や逆サイフォン等の方式について記載のある資料があれば紹介してください。
- 回答
-
国土地理院が提供する「地理院地図(電子国土Web)」(https://maps.gsi.go.jp/)により該当箇所を確認したところ、御照会の「川崎第一水道」は川崎市の「川崎一号水道」を指すと思われ、資料1によれば「第1導水隧道」とも呼称されるようです。本回答では、施設名を「川崎第一水道」、「川崎一号水道」及び「第1導水隧道」として調査を行いました。
当館所蔵資料を調査したところ、御照会の施設に関する記載がある資料1から資料3が見つかりましたので、御紹介します。なお、当館のレファレンスでは、本文を精読しての調査、網羅的な調査はできませんので御了承ください。
(【 】内は当館請求記号です。末尾に*がついた資料は国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。)
資料1
川崎市水道局 編. 川崎市水道八十年史. 川崎市水道局, 2003.3 【EG267-H4】
「第1編 上水道 第3章 施設の拡張と改良」の「第7節 第4期拡張事業」(pp.58-83)に、「施設の概要 <導水隧道>」(p.71)として、「第1導水隧道」などに関する記載があります。「鋼管伏越」の項には「小田急電鉄軌道下」との記載もあります。
また、「第1編 上水道 第5章 水道施設と事業の変遷」の「第2節 事業の変遷」(pp.160-164)に「拡張事業等一覧」と題する表があり(pp.160-161)、「第1導水隧道改修工事」及び「第1導水隧道改良工事」の工事内容を記載しています。
資料2
西 正勝. パイプイントンネル工法による基幹導水ずい道の改良. 水道技術ジャーナル. (20) 2001.7 pp.13-18 【Z16-B279】
既存のコンクリート製の隧道の中に鋼管を引き込む等の改良工事を行ったことについての雑誌記事です。
「2. 第1導水ずい道の概要」(pp.13-14)に、「第4期拡張事業により築造され昭和27年に完成した遠距離導水施設で、延長約21.6km、高さ幅ともに2.6mの馬蹄形断面、無筋コンクリート造りのトンネルです。現在、1日当たり60万㎥の原水を導水勾配1/1,500の自然流下により導水している本市の基幹施設のひとつです。」とあります。その他、改良工事前後の各施設の説明や工法の簡単な解説もあります。
小田急線の線路の地下の構造については、「図-3 高石伏越平面図・断面図」(p.17)で鋼管の構造が図解されています。「7. 第3回改良工事」(pp.16-17)には「伏越は、自由水面を持つずい道部の流れが、谷部を横断するために逆サイホン状に布設された管内を圧力水として流れ、流況が変化する区間です。」とあります。
資料3
岩田 信吉. 川崎市上水道第4期拡張工事. 水道協会雑誌. (通号 255) 1956.01 pp.13-22 (11-16コマ目) 【Z16-138】*
導水隧道の建設を含む、川崎市上水道第4期拡張工事について解説した雑誌記事です。
p.14(12コマ目)に、「川崎市上水道第四期擴張 概要図(鳥瞰式)」及び「水路縦断面図」が掲載されており、導水隧道について、「勾配1/1500」及び「小田急線伏越」等の記載があります。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
・川崎市水道局. 第1導水ずい道改良工事について. 工業用水 = Journal of industrial water. (594) 2009.5 pp.39-44 【Z14-120】
※資料2と同様、第1導水隧道の改良工事を行ったことについての雑誌記事です。
・川崎市水道史. 川崎市水道局, 1966 【519.1-Ka928k】*
※資料1と同様、川崎市上水道第4期拡張事業について記述があります(pp.71-138 (71-123コマ目))。
・川崎市水道局 編. 川崎市水道六十五年史. 川崎市水道局, 1987.4 【AZ-1568-E2】
※資料1と同様、川崎市上水道第4期拡張事業について記述があります(pp.118-130)。
・水の総合辞典編集委員会 編. 水の総合辞典. 丸善, 2009.1 【PA2-J23】
・水道用語辞典. 第2版. 日本水道協会, 2003.3 【YU7-H511】
・水道統計. 施設・業務編. 日本水道協会, [2002]- 【Z43-73】
※(97):2014年度を確認しました。
・全国浄水場ガイド. 水道産業新聞社, 2008- 【Z74-G141】
※2016年版を確認しました。
・水道産業新聞社 編. 水道年鑑. 水道産業新聞社, 1959- 【Z43-36】
※2016年度版を確認しました。
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・リサーチ・ナビ (http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・CiNii Articles (http://ci.nii.ac.jp/)
・CiNii Books (http://ci.nii.ac.jp/books/)
・J-GLOBAL (http://jglobal.jst.go.jp)
・J-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2017年4月14日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・「地理院地図(電子国土Web)」(https://maps.gsi.go.jp/)に水道の通っているルートが掲載されています。
- NDC
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- 衛生工学.都市工学 (518)
- 参考資料
- キーワード
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- 水道
- 伏越
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000216303