レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/2/1
- 登録日時
- 2017/03/16 00:30
- 更新日時
- 2017/05/09 13:49
- 管理番号
- B170120115153
- 質問
-
未解決
抗精神病薬ブロナンセリン(ロナセン)について、服用を中断した場合の副作用について研究、報告した資料があれば紹介してください。
- 回答
-
下記の当館所蔵資料及びデータベースを調査しましたが、ブロナンセリンの服用を中断した場合の副作用について記載されている資料は見当たりませんでした。
なお、調査の過程で、ブロナンセリンを減量した後に、副作用であるアカシジアの発現を認めた症例、及び症状の再燃が認められた症例について記載されている当館所蔵資料(1)が見つかりましたので、参考までに御紹介します。(【 】内は当館請求記号です。)
(1)柏木 祥江. 清水 健. 黒田 健治. 統合失調症の急性期保護室症例にブロナンセリンが奏効した2例. 新薬と臨牀 = Journal of new remedies & clinics. 57(10) 2008.10 pp.1703-1706【Z19-352】
p.1704に、症例1の治療経過として、「その後,症状を見ながらブロナンセリンを12mg/日(1日2回)に減量したところ症状の再燃は認めなかったが,投与13日目から副作用であるアカシジアの発現を認めたため,ビペリデンを4mg/日投与したところアカシジアも軽減したため,投与18日目に自宅退院となった。」とあります。
また、p.1706に、「副作用としては,1例でアカシジアの発現を認めたが,ビペリデンの併用でブロナンセリンの継続投与は可能であった。これはブロナンセリンの減量後に発現していることから黒質線条体ドーパミン経路におけるドーパミンD2受容体の遮断作用が薬理学的な基盤ではあるが,ロラゼパムの投与中止後に発現していることから,ベンゾジアゼピン系薬剤のGABA系機能の低下説が原因ではないかと推測される。」とあります。
p.1705に、症例2の治療経過として、「投与5日目からブロナンセリン12mg/日(1日2回)へ減量を試みたが,悪口が聴こえるなどの幻聴が強くなるなど症状の再燃を認めたため投与8日目に16mg/日(1日2回)に戻し,引き続き同量にて入院加療を行い、精神症状が安定したため投与27日目に自宅退院となった。」とあります。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
・日本医薬品集フォーラム 監修 ; じほう 編集. 日本医薬品集 = DRUGS IN JAPAN. 2017年版医療薬. じほう, 2016.8【YU7-L1946】
・日本医薬情報センター 編集. JAPIC医療用医薬品集. 2017. 日本医薬情報センター ; 丸善出版 (発売), 2016.8【YU7-L1993】
・日本医薬情報センター 編. 日本の新薬 : 新薬承認審査報告書集. 第32巻. 日本医薬情報センター, 2009.8【SD81-J62】
・菱沼滋 著. 新図解表説薬理学・薬物治療学. 医学評論社, 2016.3【SD71-L99】
・日本医薬情報センター 編集. 成分から調べる医薬品副作用報告一覧 : 2004年4月から2013年6月までの累積データ. 日本医薬情報センター ; 丸善出版 (発売), 2014.1【SD2-L35】
・融道男 著. 向精神薬マニュアル. 第3版. 医学書院, 2008.9【SC361-J69】
・加藤敏, 神庭重信, 中谷陽二, 武田雅俊, 鹿島晴雄, 狩野力八郎, 市川宏伸 編. 現代精神医学事典. 弘文堂, 2011.10【SC2-J162】
・上島国利 編著. 精神科治療薬ハンドブック. 改訂6版. 中外医学社, 2010.8【SC2-J112】
・松下正明 総編集 ; 浅井昌弘, 中根允文 編. 精神科診療データブック. 中山書店, 2010.6【SC361-J222】
・村崎光邦 編. ブロナンセリンブック. 星和書店, 2008.5【SC377-J70】
・村崎光邦 編. ブロナンセリン100の報告 : 100人の臨床家によるDSAの臨床経験. 星和書店, 2009.6【SC377-J262】
・村崎光邦 編集. ブロナンセリン追跡症例集 = Blonanserin Case Report. 星和書店, 2012.3【SC377-J619】
・藤井康男 編. 統合失調症の薬物療法100のQ&A. 星和書店, 2008.5【SC377-J61】
※「QUESTION29 抗精神病薬の切り替えで、失敗しやすいポイントがあったら、教えて下さい。」(pp.91-95)及び「QUESTION31 新規抗精神病薬ブロナンセリンのメリットと注意点について教えて下さい。」(pp.99-102)を通覧しました。
・特集 統合失調症の薬物療法--ブロナンセリンのup to date. 精神科 / 精神科編集委員会 編. 13(6) (通号 78) 2008.12. pp.457-490【Z74-D49】
・菅原 裕子. 石郷岡 純. 抗精神病薬 ロナセン. 医薬ジャーナル / 医薬ジャーナル社 [編]. 45(S1) (通号 540) (増刊) 2009. pp.91-100【Z19-546】
・高橋 義人. ブロナンセリン. 精神科 / 精神科編集委員会 編. 18(2) (通号 104) 2011.2. pp.145-151【Z74-D49】
・天神 朋美. 宮本 聖也. ブロナンセリン. 日本臨床. 71(4)=1037:2013.4. pp.660-665【Z19-226】
・中村 祐. 亀井 聖史. 熊 宏美. 他. 精神科薬理 統合失調症に対する新規抗精神病薬blonanserin(ロナセン)の多施設における使用経験. 精神科 / 精神科編集委員会 編. 16(6) (通号 96) 2010.6. pp.588-596【Z74-D49】
・石郷岡 純. 中村 洋. Blonanserinの服薬中止率と投与後安定/寛解率 統合失調症患者を対象とした長期投与試験のpost-hoc解析. 臨床精神薬理. 14(6) 2011.6. pp.1073-1084【Z74-B82】
・橋本 恵理. 木村 永一. 齋藤 利和. 服薬中止症例からみたブロナンセリン長期投与における服薬中止危険因子の多変量解析による探索 多施設共同レトロスペクティブ調査報告から. 最新精神医学. 18(4) 2013.7. pp.406-414【Z19-B811】
・福田 正人. 大森 一郎. 竹吉 秀記. 統合失調症の薬物療法の終結. こころの科学. (通号 110) 2003.7. pp.18-24【Z19-1750】
・宮岡 等. 向精神薬長期服用時の副作用と治療終結. こころの科学. (通号 110) 2003.7. pp.81-84【Z19-1750】
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・リサーチ・ナビ (http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・医中誌Web [当館契約データベース]
・JDreamIII [当館契約データベース]
・ProQuest Central[当館契約データベース]
・PubMed (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)
・CiNii Articles (http://ci.nii.ac.jp/)
・J-STAGE (http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
・J-GLOBAL(http://jglobal.jst.go.jp/)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2017年1月26日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
・CiNii
・J-stage
※「ブロナンセリン」、「Blonanserin」、「ロナセン」、「抗精神病薬」、「中断」、「断薬」、「副作用」などのキーワードで検索しました。薬効についての文献、抗精神病薬の中断についての文献ならば確認できました。
- NDC
-
- 薬学 (499 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- ブロナンセリン
- ロナセン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000211876